稽古場日誌

研修生 研修生 2016/06/07

生きろ! 若人!/高島領也

今年度研修生となりました高島領也と申します。

『生きる』
1952年に公開された黒澤明監督の作品です。
かつて、この作品を観た僕は強い感銘を受けました。
「僕も生きなくては」
そのように焦り始めたのはその頃からです。
今でも焦っています。
『生きる』のなかで、志村喬扮する主人公の渡辺勘治は癌を宣告されます。
死を間近に迎えた彼はこれまでの「生きていない」時間を悔い、そして初めて彼は生き始めます。
なるほど、人は自らの死を間近に意識することで生を実感することができ、本質的に生きることを可能にさせる。
そのように生きる事で初めてその世界に「存在する」ことができる。

しかしそれでは遅いのです。
死を間近にしてからでは遅い。
今すぐに、今すぐ生き始めなくてはならない!
僕が「生きる」ことで、その「存在」を目撃した者も生き始めさせるのだ。
その「生き始めなくては」という焦りに対する行為が、僕の山の手事情社の研修生になるという選択です。
生き始めるには何をするのか。
「存在すること」
舞台という空間に、人の心・身体・志に、そして歴史に、
「Now I’m here!!」
「俺はここにいる! お前はどこにいる!」

抽象的で曖昧な言葉ばかりで話をしてすみません。
しかし、修了公演ではがむしゃらに、大いに「存在している」僕をお客さんにお見せすることが叶えてみせましょう。
高島領也をよろしくお願いします。

高島領也

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