稽古場日誌

Anniversary 安部 みはる 2017/03/10

記念日を探し出す

つい先日まで、若手公演『オイディプス@Tokyo』のお手伝いをしてくれた研修生。
あっという間に自分たちの修了公演が迫り、頭と身体を切り替えるのがさぞ大変だろう。

間違いなく、修了公演は「記念日」になる。
私も毎年研修生の衣裳を担当しているが、この季節になると過去の作品が蘇ってくる。
今年度の『Anniversary』というタイトルは、いい意味での記念日だけでなく、暗い過去や悪い思い出も思い出させているようだが、自分にとって「記念日」というと、やはり毎年めぐってくるものだろうか。
季節ごとに思い出し、その時の自分を振り返るもの。
例えば、震災とか、同時多発テロなどのニュースが流れるとその時の自分が思い出される。
事件の大きさに反して、自分があまりにもダメ人間に思えたりしてがっかりする。
小さい事だと、稽古場のそばを流れる呑川に魚の大群が発生すると秋を感じる。
同じく鴨が来ると冬。「今年も来たか……。去年は何をしてたかしら」となる。

研修生たちはいま、何かのきっかけである感情が顔を出していたたまれなくなるような、そんな記念日を探しているのだと思う。

もうすぐ、彼らにも、お客様にとっても強烈な、突き刺さるような記念日が見つけ出せるはず。

安部みはる

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2016年度研修プログラム修了公演「Anniversary」
日程:2017年3月23日(木)~26日
会場:シアターノルン
詳細はこちら

2017年度研修プログラム「俳優になるための年間ワークショップ」
オーディション開催中
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■年間ワークショップ参加者体験談
■年間ワークショップカリキュラム

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