稽古場日誌

ワークショップ 2017/03/18

「大人のためのエンゲキのアレコレ」@かがわ演劇祭 リポート

山の手事情社ファンのみなさま、はじめまして。私は、香川で演劇活動をしています植田良子と申します。シアター・デザイン・カンパニーという演劇制作団体の代表をしています。

「山の手事情社の稽古場日誌にどうして香川の人間が出てくるんだ」と思われた方。当然の疑問です。実を言いますと、2016年11月19日(土)のかがわ演劇祭にて、安田雅弘さんによる講座「大人のためのエンゲキのアレコレ」が開催されたからなのです。今回、私はそのスタッフとして、企画に携わらせていただきました。そのご縁で、今回のリポートを書いています。

ちなにに、安田さんが香川で「大人のためのエンゲキのアレコレ」を開講するのは、2015年に続き2回目です。「東京でも1度しかやっていないのに、どうして香川で2度もやったんだ」と思われた方。当然の疑問です。その理由については、後ほど語らせていただきますが、簡単に言うと、山の手事情社と香川には深~い結びつきがあるのです…。

さて、「大人のためのエンゲキのアレコレ」ですが、本来ならば全4回の講座なのですが、今回は①『演劇にはイロイロある』のみの開催となりました。能、狂言、歌舞伎、文楽、寄席、大衆演劇、ストレートプレイ、ミュージカル、小劇場演劇、オペラ、バレエ、コンテンポラリーダンス、舞踏、などなど…。演劇には本当にイロイロあるんですね。安田さんは、実際の映像を交えながら、それらを楽しむためのポイントをわかりやすく解説してくださいました。私自身、観たことの無かったジャンルの作品を観てみたくなりましたよ!

安田さん曰く、演劇をどう観たらいいか、学校では教えてくれないとのこと。確かに、小中高校では音楽や美術の授業はあっても演劇の授業はありませんし、ましてや演劇の先生なんていませんよね。それは非常にもったいないのではないか、というお話でした。

さて、みなさん気になっていることと思いますが(気になってない?)、山の手事情社と香川の深い関係について。それは遡ること1989年のこと。と、さすがにそこから説明するのは大変だし誰も読んでくださらないと思いますので、2003年のことから。それでも14年も前ですね。

2003年、香川県が主催する市民劇「さぬきシェイクスピア」を構成・演出してくださったのが安田さんであり、スタッフとして尽力してくださったのが山の手事情社のみなさまだったのです。私はその企画に制作として関わっていました。「さぬきシェイクスピア」は1年に1回、4年間続きました。それ以降も、山の手事情社のみなさまとのご縁は続き、今に至るというわけです。おわかりいただけましたでしょうか?

ところで、私は香川にて、「演劇のフォロワーを増やす」ことを目標に、演劇活動を行っています。演劇のフォロワーとは、“創る人”、“観る人”、そして“応援する人”のことを指します。なかでも私は“応援する人”を増やすことが重要であると考えています。

“応援する人”とは、もちろん金銭的な援助も指しますが、それ以外にも、劇場や稽古場を貸してくれる人、公演のチラシを置かせてくださったりポスターを貼らせてくださるお店、小道具・大道具を貸してくれる人、FacebookやTwitterで情報を拡散してくれる人、「今日も稽古なの?」と言いたいのをグッとこらえて黙って見送ってくれる家族や同僚、そういう人たちを指します。

そのような“応援する人”が増えることが“観る人”を増やし、“創る人”を育て、それがまた“応援する人”に還元されていくと私は考えます。そのような循環をつくり、香川を「演劇を楽しむ人がたくさんいる街」にすることが私の最終目標です。

このように考えるようになったのは、安田さんをはじめ、山の手事情社のみなさまに出会えたからです。私にとって、山の手事情社は“原点”です。

と、最後は自分語りになってしまいました。すみません。

とにかく、安田さんによる「大人のためのエンゲキのアレコレ」を受講することによって演劇に対する視野が広がることは間違いないです。4月から東京の大田区で「エンゲキのアレコレ」が開講されるようです。興味を持たれた方はぜひ参加されてはいかがでしょうか。他の地域の方も「もっとやってくれ!」と山の手事情社のプロデューサーである福冨さんにリクエストしましょう。検討してくれるはずです。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

シアター・デザイン・カンパニー
植田良子

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安田雅弘 講師/「エンゲキのアレコレ」
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