稽古場日誌

Anniversary 研修生 2017/03/19

踏ん張る記念日

「気づく」ということは本当に難しいことだと思う。
ものによっては、苦しいし、逃げたくもなる。

私は長年、ダンスを続けているが、踊っている最中に限って、身体を大切にしていなかったことに最近気づいた。
与えられた形をそのままこなして、そこに何の意味も、欲も感じていなかった。
驚くことに、「振り」というものを与えられていない状況で、さぁ身体を動かしてみろと言われた時、私は何も動けなかったのだ。
かなりショッキングだった。
「踊れる人は、動ける」これは大きな勘違いだった。
今現在、どうしたら身体が面白くなるのかわからない。
面白くないという現実を噛み締めなければならない。
辛いし、悔しいことだが、同時に、私の人生において大きな変化のきっかけであることは間違いない。
考えてみれば、全く知らない自分の身体を見つけ出す、絶好のチャンスである。
ここからはどう踏ん張るか、それに尽きるだろう。

身体に限ったことではない。
人生には、気づくことで見えてくるものがある。
そして自分の、新しい、あるべき姿を生み出すことができた日が、私にとって1番の記念日だ。

喜多京香

 

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