稽古場日誌

Anniversary 浦 弘毅 2017/03/20

俳優記念日

忘れもしない1996年、21歳の私は何するわけでもなく、銀座を徘徊し、ただ飲んだくれる毎日でした。
大学進学もあきらめ、エリートだった父親に反発感を持ち「サラリーマンになんかなりたくない」と思い、だがなにかしたいわけでもない。
パチンコ、競馬に明け暮れる、本当のダメ人間でした。

俳優になるきっかけは、私が19歳の時。
父親の「お前は将来何になりたいんだ!」という問いかけに、半分キレながら「俳優になってやるよ!」という私の回答。

芸能界なら両親も想像がつかずあきれ、そして諦めるだろうと思っていました。
しかし、21歳の時父親に「お前は俳優になるって言ったよな、どうなってるんだ?」と言われたことで、半ばしぶしぶ山の手事情社の門をたたきました。

この記憶は私の中で20年たった今も鮮明に覚えています。
あの時父親に言われ、不快な思いをし、意地になっていなければ、俳優活動を40過ぎるまで続けていなかったでしょう。
もし、あの時両親が祝うがごとく私を送り出してくれていたら、この精神的にきつい演劇界、ことに山の手事情社はとっくに辞めていたでしょう。

これが私の俳優記念日です。
華々しい話なんぞ全くありません。
むしろないほうが私にはとてもためになりました。

さて今年の『Anniversary』はどんな内容になるか?
他人ごとのように言わせてもらえば、楽しみである!!

浦 弘毅

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2016年度研修プログラム修了公演「Anniversary」
日程:2017年3月23日(木)~26日
会場:シアターノルン
詳細はこちら

2017年度研修プログラム「俳優になるための年間ワークショップ」
オーディション開催中
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■年間ワークショップ参加者体験談
■年間ワークショップカリキュラム

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