稽古場日誌

ワークショップ 名越 未央 2017/09/12

学生のための演劇サマースクール2017 リポート

俳優部の名越です。

8月21~23日に「学生のための演劇サマースクール2017」を開催しました。15歳から28歳までの若者たち20名ほどが、どっぷり3日間演劇漬けに。

「山の手事情社という劇団は、《四畳半》というちょっと変わった演技様式を使っているから、きっとワークショップもそういう感じで、普通のリアルな演技が上手くなりたい人には意味がない。」
と思う方は多いと思われます。しかしそれは大きな誤解です。
ワークショップでは《四畳半》は扱いません。リアリズムだろうと《四畳半》だろうと、上手い演技というものは、本質的に大きな違いはないと思うのです。

国内外で取り入れられている俳優育成法《山の手メソッド》は、徹底的に自分と向き合うことを要求されます。自分を知らずして、他人なんて演じられるわけがないからです。
身体的な癖、思考的な思い込み、ワンパターンな表現。今までなんとなく捉えていた自分を見つめ直すことは苦しい作業です。
私は私、このままでいいじゃん、みんな違ってみんないい、というわけにはいきません。演じたい役が素の自分とどう違うのか、その距離を細かく測っていくことで役が生きてくるのだと思います。

自分自身を突きつけられるのは、思いがけない自分を知る喜びにも満ちています。
こんな声が出せるんだ、台本がないのに言葉やアイディアを絞り出せるんだ、ウソなのにこんなにドキドキできるなんて、などなど、新しい発見の連続で本人も周りも大興奮の瞬間がたくさんあり大いに盛り上がりました。

それぞれが悩み、苦しみ、そして楽しんだ3日間だったようです。いろいろな感想が聞けました。

「自分の殻を破る難しさなどをまざまざと感じるワークショップで、世界の広さを知りました」
「演劇ってすごく自由な感じがして、とてもおもしろいものだと知れました」
「“リアリティー”を深く考えさせられた」
「最初に芝居と身体の関係性についての話が聞けて、すとんと腑に落ちた」
「エチュードが苦手で悩んでいたが、この3日間で何度も即興演劇を体験できて少し自信がついた」
「夏休みの間になまけてた“集中力”が久しぶりに出て、自分でも“今充実してるな”と感じた」
「“自分以外の何か”になることを重要視していたが、実践の中で“自分の確立”が求められることを理解した」
「初めて“演技で表現する感覚”をつかんだ」

参加者のみなさん、お疲れ様でした。

名越未央

稽古場日誌一覧へ