稽古場日誌

傾城反魂香 斉木 和洋 2017/09/16

お参りに行ってきました

公演の成功と無事を祈って、劇団の稽古場近くの池上本門寺へお参りに行ってきました。
たくさんのお客様のご来場をお待ちしております!!

さて、『傾城反魂香』は、けいせいはんごんこう と読みますが、江戸時代の劇作家・近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)が人形浄瑠璃のために書いた台本です。

傾城とは、君主が城が傾く(滅びる)ほど入れあげてしまう遊女、反魂香とは焚くと亡くなった人がこの世に現れるという伝説のお香のことを言います。
遊女・遠山(とおやま)は、絵師・狩野元信(かのうもとのぶ)と結婚の約束をするが、叶わず、人知れず死んでしまいます。
元信は、遠山の死を知らずに姫君・銀杏の前(いちょうのまえ)と結婚することとなりますが、死んだはずの遠山が銀杏の前のところへ突如現れます。
遠山は49日間だけ結婚相手をかわって欲しいと頼み、銀杏の前はそれを許します。
死者が蘇るという伝説のお香・反魂香(はんごんこう)が焚きしめられるなか、幽霊となって現れた遠山に見守られながら元信は、熊野詣(くまのもうで)の絵を描き上げます。
遠山は元信が絵に描いた熊野の寺社を順々に巡り、最後、絵のなかに消えていきます。

と、男に捨てられながらも男を思い続ける悲恋の女性を書いた作品なのですが、ここにさらに、絵師・元信を失脚させ、姫・銀杏の前をかどわかし、六角家ののっとりをはかる家老・不破道犬(ふわどうけん)一味のお話。
どもりの絵師・吃の又平(どものまたへい)が師匠・土佐将監(とさのしょうげん)に認められ苗字を授かるお話。
遊女・葛城(かずらき)をとりあったことが原因で、元信の出世の邪魔をする道犬の息子・伴左衛門(ばんざえもん)を殺してしまう名古屋山三(なごやさんざ)のお話などのいくつものサブストーリーが絡み合います。

歌舞伎では、もっぱら、吃の又平のシーンだけが上演されますが、山の手事情社版『傾城反魂香』では、全編を1時間30分ほどで上演します。
超高速で展開していきますので、お見逃し、お見落としなく。

斉木和洋

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『傾城反魂香』
2017年10月13日(金)~15日(日)
大田区民プラザ 大ホール
公演情報はこちらをご覧ください。
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