稽古場日誌

傾城反魂香 鯉渕 翼 2017/10/04

ミラクル

以前道を歩いていて、丁字路に差し掛かろうかと言う瞬間、後ろから突然「落とし物ですよ」と声をかけられ、立ち止まり振り返るが誰もいない。と同時に転倒したバイクが横道から滑り込み、危うくそのまま歩いていたら巻き込まれていたであろう事故を回避できたことがありました。その時はそう思いませんでしたが、今思い返すと奇跡だな、と思います。

夢のお告げ
絵で100人の軍兵を追い散らす
尋ね人とばったり出会う
幽霊になって本懐を遂げる
等々、『傾城反魂香』は、奇跡のような出会いと、奇跡のような出来事と、奇跡のような結末を迎える、つまりほぼ奇跡の物語です。

初めてこの物語をご覧になる方は、ありえない、そうそう奇跡が何度も起きる訳がない。など思われるかもしれません。私もそうでした。

しかし、少し思い返してみてください。皆さんのまわりでも奇跡と呼べるような出来事が起きたことがありませんか。
起きているときは気付かず、偶然とか、たまたまとか、運が良かったなどの言葉に隠れてしまいがちですがきっと何かしらあるとおもいます。

『傾城反魂香』の登場人物たちも、劇中きっと今自分が奇跡のただ中にいるとは気がついていないでしょう。
奇跡に翻弄される人々の姿を是非見に来ていただき、身の回りのちょっとした奇跡を感じてみてください。

鯉渕 翼

*******************

『傾城反魂香』
2017年10月13日(金)~15日(日)
大田区民プラザ 大ホール
公演情報はこちらをご覧ください。
keiseihangonko_omote

稽古場日誌一覧へ