稽古場日誌

ぺとりこおる 研修生 2018/01/06

未来へのメッセージ?

現在、研修プログラム修了公演『ぺとりこおる』に向けて絶賛稽古中です。
公演のテーマは「熱中したこと」「忘れていたこと」です。
どんな作品になるのか、ご期待下さい。

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「今回の稽古場日誌、今まで熱中したことを書いてくれ。」
と谷さんからのリクエスト。

熱中?  人生で、何か熱中したものなんてあっただろうか?
そう考えていたとき、中学生の頃録画したDVDを何十枚も発掘した。

小学生の頃からお笑い番組が大好きだった。
中学生になるとネタ番組が増えて、益々お笑いを観るようになった。
そうなると録画して何度もネタを観て、なんてことをやりたいのだが、我が家では丁度ビデオデッキが壊れていた。
仕方なく、深夜のネタ番組を観ながらメモをして、次の日にそれを読みながら笑う。
メモだけでは飽き足らず、メモを清書して批評も加えたノートも作っていた。
やがてDVDデッキが導入されると、毎週ワクワクしながら録画をしていた。
勿論リアルタイムでも観ていたわけだから、完全にコレクションである。

高校生になると、時々ネタ番組の収録観覧にも行った。
一緒に行った友人と「あのコンビはあんなに面白かったのにオンエアにならないのはおかしい!」などと帰り道に話していた。
もっと大人だったら飲みながら語り合ったのに!! ともどかしい想いをしたことを鮮明に覚えている。
高校の卒業文集では、あるコンビについてなぜ面白いかについて綴った。
ついつい書きすぎてしまい、3人分のスペースを要して少々恥ずかしかった。

中高生時代の録画DVDは、ほぼお笑い番組。
一本でも多くの番組を録画しようと必死だった。
録画に失敗すると当然のように泣き、ネタを観ている最中に家族が喋ったら激怒することも日常茶飯事だった。
ネタを観ているときは集中したいし、一言も聞き逃したくないためだ。
そのくせナマのお笑いライブへは行かない。
自らライブへ行くという発想が無かった。
あったとしても、時間やお金の都合がつかなかっただろう。

中高生の私は、DVDを通じて未来の自分に言いたかったのだろう。
「今、私が好きな芸人さんたちは、未来の世界ではどんな活躍をしていますか?」
没頭する趣味なんて無かったと思っていたけれど、当時は熱中しているという意識が無かっただけかもしれない。
今こうして振り返ると、理解に苦しむ部分も多い。
当時の私は、お笑いの未来まで愛していたということなんだろう。
私にもそんな、一見偏った愛し方をしている趣味があったのかと安心した。
と同時に、少々引いてしまった。

榎本倫子

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2017年度研修プログラム修了公演「ぺとりこおる」
日程:2018年2月21日(水)~25日(日)
会場:大森山王FOREST
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2018年度研修プログラム「俳優になるための年間ワークショップ」
オーディション開催中
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■年間ワークショップ参加者体験談
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