稽古場日誌

ぺとりこおる 佐々木 啓 2018/02/15

研修生修了公演、侮りがたし

現在、研修プログラム修了公演『ぺとりこおる』に向けて絶賛稽古中です。
どんな作品になるのか、ご期待下さい。
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先日『ぺとりこおる』の通し稽古を観ました。

個人的に研修生公演は毎年楽しみにしています。
ここで僕なりに研修生公演の見どころ、良いポイントを紹介します。

ポイント➀ 驚異の集中力、伸びしろ
3日前に初めて『ぺとりこおる』の通し稽古を観たのですが正直まだまだ詰められるところがあってこれから大変だろうな、と思っていました。が、昨日再び通し稽古を観たら、あらビックリ! 作品がギュッと引き締まっていて面白さが増しているではありませんか! 「たった3日の間に何があったんだ、お前ら?」と思わず声をかけそうになりましたね。
なんと言ったらいいのでしょうかこの集中力、伸びしろ。
彼らを見ていると自分まで「もうちょっとやれるのではないか?」と勇気をもらえます。

ポイント② ボロボロの輝き
野菜や果物に旬があるように人にも旬の時期があったとしたら、「今が旬なんだろうなぁ」と思ってしまうほど彼らは今稽古場で輝いています。
それも昨今巷に溢れかえっている胡散臭い輝きではありません!
以下は僕が本体稽古中によく思っていることです。
「どうしたらこのシーン面白くなるのかな?」
「あぁ、うまくできない。」
「なんで、私(俺)はこんなにダメなのだろうか?」
「もう、嫌だ、何もかも嫌だぁ~。」
「温泉はいって、美味しいご飯食べて、のんびりしたいなぁ。海の見える街に行きたいなぁ。」
稽古中やダメ出し中の彼らを見ていると恐らく僕と同じようなことを思っているのではないかと思います。
そうなのです、彼らは今ボロボロの状態なのです!
だからこそ輝いているのです!
どんな人間でも社会と他人と関わりをもてば大なり小なり傷ついたりボロボロになります。
俳優はそういったマイナス部分にも敏感であるべきだと僕は思っていますし、ボロボロの状態からでたアイディアは大体面白いです。
ボロボロの時は実は俳優としてかなりおいしい、輝いている状態なのです。
そういう意味で今まさに彼らは俳優として輝きを放っています。
研修生たちは気づいていないかもしれませんが、シーンによっては劇団員にも出せないような味を出しています。
劇団員の僕も通し稽古を観る度に学ぶことが多々あります。
俳優として彼らからは学ぶことが本当に多いです。

皆さんも研修生公演だからといって侮らないでください。
今回の『ぺとりこおる』もこれから更に面白くなる雰囲気がプンプンします。
是非、研修生たちが我が身を削りながら創り上げた作品を劇場でご堪能下さい!

佐々木 啓

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2017年度研修プログラム修了公演「ぺとりこおる」
日程:2018年2月21日(水)~25日(日)
会場:大森山王FOREST
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2018年度研修プログラム「俳優になるための年間ワークショップ」
オーディション開催中
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