稽古場日誌

今回上演する『テンペスト』、東京での壮行公演ののち、ルクセンブルクとルーマニアで上演する。
そこでルクセンブルクとルーマニアのお金について調べたみた。

ルクセンブルクは周りをフランスやドイツ、ベルギーといった大国に囲まれている小さな国で、沖縄県とほぼ同じ面積だ。
通貨はユーロ。 人口の約半数以上が他の国から来た人たちであるため自国通貨を発行していない。
ルクセンブルクが面白いのは、隣国におしつぶされることなく良い意味で影響を受けて、経済成長を遂げたところである。
ユーロが発行されると、周りの大国に倣ってルクセンブルクも直ぐ導入を決めた。
ヨーロッパの中心に位置し、金融業が盛んなこともあり、大企業の多くがヨーロッパにおける本社機能をルクセンブルクに移している。
我々が考えている以上に大きなお金が動いている国だ。労働の最低賃金からして、1,400円越えで世界一位だ。

ルーマニアでもユーロは使える。 使えるには使えるのだがレイと呼ばれる自国通貨の方がメジャーである。
日本と同じ農業国だ。日本と比べると物価が非常に安い。
あと、チップの文化もある。ちなみにルクセンブルクは、チップはいらない。
基本的に後払いのお店では、価格の10%近くをチップとして渡すらしい。
おもてなしの文化で育ち、普段サービスを当たり前のように受け取っている私たちはここで苦戦を強いられるかもしれない。
ルーマニアはとても安い価格で芝居が見られるそうだ。

同じヨーロッパなのにまるで正反対なこの2つの国。
それぞれに魅力を感じ、早く肌で感じてみたくなった。

高坂祥平

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劇団山の手事情社ヨーロッパツアー壮行公演『テンペスト』
(下丸子×演劇ぷろじぇくと2018特別企画)
日程=2018年4月12日(木)~13日(金)
会場=大田区民プラザ 大ホール
詳細はこちらをご覧ください。

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