稽古場日誌

テンペスト(2018年) 鯉渕 翼 2018/04/06

正体不明の正体

山の手事情社には、《四畳半》、《ルパム》等、一風変わった独特の表現スタイルがあります。
なので作風も一風変わった、見慣れない独特のものになります。
どう変わっているのかは実際にご覧になってからのお楽しみとして、初めて山の手事情社のお芝居をご覧になるお客様は、驚きや戸惑いが先行してしまうかもしれません。実際に私もそうでした。
でもご安心ください。今回の『テンペスト』で、もしも何処を見たら良いのかわからなくなったときは、上手(かみて、舞台向かって右側)の「明らかに様子のおかしい男」をご覧ください。
全てのルールや、世界のチャンネルすら違う存在がそこにいます。
そしてこいつは一体何なのだと、あれこれ勝手に、好きなように想像、考察してお楽しみください。

はい。冗談です。
私は今回も初演に引き続きよくわからない存在に挑戦しています。
何となくこんな存在なのではないかという考えは纏まりつつありますが、まだまだ考えが足りていないのを日々感じます。
何でもないけど確実に何か。
何でもできるけど何もできない。
影響は受けないが影響させる。
見えるけど見えない。
聞こえるけど聞こえない。
うーん、なんなんだ一体。

出演時間は多分過去最長。台詞(?)もタップリ。
完全にやり方次第で良くも悪くもなるとてもやりがいのある役です。
しっかり挑みたいと思います。
そして私なりのコイツの正体を是非劇場でご覧いただければと思います。

鯉渕 翼

※写真は大田区民プラザで働かれている方とともに。
 ご協力ありがとうございました。

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劇団山の手事情社ヨーロッパツアー壮行公演『テンペスト』
(下丸子×演劇ぷろじぇくと2018特別企画)
日程=2018年4月12日(木)~13日(金)
会場=大田区民プラザ 大ホール
詳細はこちらをご覧ください。

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