稽古場日誌

ワークショップ 名越 未央 2018/09/20

学生のための演劇サマースクール2018 リポート

俳優部の名越です。
8月20〜22日、夏休み恒例の「学生のためのサマースクール」を開催しました。
今年は高校1年生が多く、一段と初々しい!

このサマースクールは独自の俳優育成法《山の手メソッド》をベースに、朝から晩まで様々なメニューを怒涛のごとく体験してしのぎを削る、非常にハードな3日間です。

数あるメニューのなかでも、今年は特に《ショートストーリーズ》(参加者自身の体験などをもとに創作した寸劇)に重点を置きました。
4〜5名ずつのグループに分け、1時間ほどで寸劇にして発表します。1日目に1本、2日目にもう1本つくり、面白くなりそうな方を3日目にさらにつくり直して、劇団員を前に最終発表(めちゃくちゃ緊張します!)という流れです。

初対面の人と、自分の体験談や考えを話して芝居をつくる、という作業はなかなか大変です。正解などないのだから、面白いかどうかは自分の感覚を頼りにするほかありません。
みんな四苦八苦して取り組んでいましたが、中には1日目も2日目もどちらも今一つで、3日目に新作をつくるようオーダーしたチームがありました。
なんとそのチーム、驚くほどグッとくる新作をたたきだしてきたのです。

上下関係が厳しい高校演劇部を舞台に、2年生が高圧的に淡々と1年生を叱っているというだけの、とてもシンプルなこの作品。
たかが部活の、たかが一年先輩なだけなのに、2年生のあまりに不遜な態度がおかしくて、会場は爆笑の嵐となりました。
笑えるのは、確かなリアリティがあるからです。中学や高校って、本当に先輩に絶対的な権力がありましたよね。当時は甘んじて受け入れたり真剣に悩んだりしていたものが、こんなに滑稽に見えるなんて。

つくった本人は、あんなに笑われるとは思わなかった、とあとでポロッと言っていました。
だって彼女にとっては普通の日常だったから。それをこうして芝居にして、観客の反応を感じることで、なにかそれまでとは違う視点で日常を見られるような気がするのです。
そういう作品に出会えたことは、演じた人にとっても観ていた人にとっても大きな収穫だったのではないでしょうか。

3日間、本当にお疲れ様でした。
冬のウィンタースクールも参加したい! と言ってくれた方がたくさんいました。ありがとう、またどこかでお会いましょう!

参加者のアンケートより
・ベーシックなものから発展的なものまで一つ一つ丁寧に教えていただき嬉しかったです。
・大学のサークルでおろそかになりがちだった部分を補強する良い機会でした。殊に身体の使い方の研究がおざなりだったので新鮮でした。
・顔、身体、声すべてで表現することは考えていた通りにはできず、3日間の様々な瞬間でできない自分に悔しさを感じました。
・3日間で劇的に技術が上がることはないとは思っていたが、精神面における向上は感じた。
・今回のワークショップを通してより演劇を好きになれてよかった。

名越未央

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