稽古場日誌

うリアしまたろ王 鹿沼 玲奈 2018/09/25

うるさーい!

今回稽古場日誌は「稽古場ではこんな事が行われている! 」をテーマにレポート形式でお送りします。創作作業が行われている現場の様子をお楽しみ下さい!

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今回の演目では、23人の俳優が、自分の出演シーンを作っています。山の手事情社の稽古場は3階建ですが、23人が一堂に集まると、それはそれは、場所がなくなります。(ちょっと前の佐々木の日誌もご参照ください)

今日は2階にて演出の安田によるメインシーンの稽古。1階と3階は自主稽古に使用されました。私は1階にて若手中心の「挿入シーン」の稽古です。演出助手の小笠原に見られながら稽古を行いました。
登場人物は10人。
それだけでも人数が多いと思うのですが、そのシーンだけに1階全てを使うわけにはいきません。他にも稽古をしたい俳優はいるのですから。ということで、1階をセパレートして使用します。セパレートの方法はズバリ……「可動式のホワイトボードを部屋の中心に置く」
なんとも原始的。そして当たり前ですが、声や動きはダダ漏れです。ただでさえ声の大きい劇団員。一人一人がただアイディアを出すだけで声はぶつかります。
ボードのこっちでは宴会のシーン。
ボードのあっちでは殺人のシーン。
想像してみてください。ものすごいぶつかりよう。
ですが耳は、自分に必要な情報をきちんとキャッチして、それ以外を雑音と認識するみたいです。面白いですね。皆さんも喫茶店や居酒屋でそういう経験ってあると思うのですが、あの現象が起こるわけです。とはいっても人間なので、いきなり「ギャーーーー! 」と悲鳴が響き渡るとちょっとびっくりします。
びっくりしてしまった自分に笑ってしまいました。心地のいい熱狂の中で、今日も稽古は進みます。

鹿沼玲奈

劇団山の手事情社公演『うリアしまたろ王』
日程=2018年10月18日(木)~21日(日)
会場=東京芸術劇場 シアターウエスト
詳細は こちら をご覧ください。

うリアしまたろ王

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