稽古場日誌

仮名手本忠臣蔵 2018/11/15

『忠臣蔵』討ち入り瓦版 16 〜あなたの歴史〜

復讐してやる。
誰かに対して、感銘を受けた事。

出演者だけでなく、日々を過ごす、今。
参加者の皆様のみならず、全ての方々に歴史があります。
幾度も言ってきましたが、芝居に繋がる素材は、すでに皆様の中にあるのです。

今回のご紹介は、かわさきさんと、しんちゃんです。
2人の歴史の一部をご紹介します!

かわさきさんからのコメントはこちら!

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昔、この人についていきたい! と思い、プロのお笑い集団に所属した事がある、私です。

私はその後、とある広告代理店の営業をしていました。
映画の出演者募集で、広告費を払わないクライアントがいた。それは、電◯のOB……。
大金を自分で立て替えた。
裁判でも一円も回収できなかった……。

ダメ人間への復讐の代償として、新天地への転身をはかった。

国家試験免許取得の数は2桁に達し、難関といわれる電験三種にも合格! ……とはいえ、職場はビルの地下室、地味そのもの。
この年になると、ちょっとした資格位では、人生は挽回できないらしい。

そんなときに、下丸子×演劇ぷろじぇくとに出会った。
人生の失敗の数を増やせない。
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かわさきさんに、そんな壮絶なドラマがあったとは……!
復讐しましょう。演劇という新たな形で、壮絶な人生の大きな叫びを、舞台に反映しましょう!

続きまして、しんちゃんです。
手書きでいただいた文章なので、文字の風合いは届けられませんが、しんちゃんの熱い想いはこちら!

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私は生まれつき、低身長というハンディキャップを持っています。

パフォーマンスの世界で舞台に立つ事は、夢の夢かもしれない。けど、いつか、ハンディキャップの日本人として、堂々と舞台で演技が出来る者になりたい! と思っています。

昔、米国で、ハンディキャップを持っている女優さんが、健常者の俳優と同じ様に舞台で演じているのを観て、自分の中に電流が走りました。
表舞台で堂々と演じている彼女の姿は、私にとってどんなに魅力的だったでしょう!

本腰の時期がやってきました。
大分テンポがズレてしまう私ですが、どうぞよろしくお願い致します!
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しんちゃん、ありがとうございます!
しんちゃんの「いつか」は、もう、すぐそこに近づいています。米国の彼女以上に、堂々と舞台に立っている姿を魅せて下さい!

かわさきさんの熾烈な憤り、
しんちゃんのポジティブな人生観。
どれも、私の歴史には無い事です。

世界の歴史、日本の歴史、個人の歴史。
その苦悶の人生を抱えているのが、今。
今の自分を、隅から隅まで観察するのは、普段から出来る事。

今の皆さんに興味がありすぎて、
私はパンクしちゃう。

その際は、私のカケラを拾い集めて下さいね(笑)。

演出アシスタント 辻川ちかよ

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下丸子×演劇プロジェクト2018
区民参加劇『仮名手本忠臣蔵』
構成・演出=安田雅弘
原作=竹田出雲・三好松洛・並木千柳
日程=2018年12月15日(土)~16日(日)
会場=大田区民プラザ 大ホール
主催=公益財団法人大田区文化振興協会

『仮名手本忠臣蔵』チラシ(1)

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