稽古場日誌

あたしのおうち 研修生 2019/01/26

刷り込み

こんなにしんどいのに、私はなんで芝居をやっているんだろう。そのルーツを考えてみた。

思えば私の通う小学校では、毎年秋の終わりに学習発表会を行っていた。体育館にストーブを設置して、全学年で一日かけて劇をしていた。
一学年三十人前後の小さな学校だから、何かしらの役はくる。

四年生でごんぎつねのごんをやった。言わずと知れた、泣けるお話である。
昼休みも放課後も、先生と皆とで稽古。当時母の様に慕っていた先生が、感動するものを作ろうと真剣に向き合ってくれた。

そして向かえた本番。
未熟ながらも無我夢中で駆け抜けた時間だった。
終わると、顔もよく知らない大人が沢山褒めてくれた。人生で一番褒められた。
たぶん、それが嬉しくてちょっと恥ずかしくて、病みつきになってしまったんだろう。

非日常に没頭できる時間。
大人になってからはそれが一番の理由だけれど、実は誰かに褒めて欲しかったりするのだろうか。
認めるのがずいぶん恥ずかしいが。

昨年、一年間の研修プログラムを終えたあとの修了会では、ダメだしも頂いたが褒めてももらえた。
自分の限界にうちひしがれていたはずなのにいつの間にか二年目に突入してしまったのも、もしかしたらそのせいかもしれない。

人生で一番褒めて頂ける様に、励みます。どうか見届けてください。

太田成美

**********

あたしのおうち

2018年度研修プログラム修了公演『あたしのおうち』
日程:2019年3月6日(水)~10日(日)
会場:大森山王FOREST
詳細はこちら

2019年度研修プログラム「俳優になるための年間ワークショップ」
オーディション開催中
詳細はこちら
年間ワークショップ参加者体験談
年間ワークショップカリキュラム

稽古場日誌一覧へ