稽古場日誌

あたしのおうち 研修生 2019/03/04

あたしのおうちを構成するもの

劇団山の手事情社の修了公演は、構成演劇と呼ばれる形式だ。1年間の稽古の中で、自分たちの経験や考えたネタを元に作ってきた様々なシーンを組み合わせてひとつの作品にする。
『あたしのおうち』には、山の手事情社独自のフリーエチュード《インヂアンジョー》を元にしたシーンがある。
ものすごく恐い演出家が、ものすごいハイテンションで俳優たちを演技指導してデタラメな芝居を作っていくエチュードだ。正直なんでもありだ、面白ければ全てが許される。
しかし、同時進行でやることが多すぎる。まず演出家が俳優の演技を実演してみせ、俳優にその動きをそっくりそのままコピーさせ、違うなら演出家は俳優を叩き潰す。別の俳優を呼びまた演出家が実演してみせ、を繰り返してひとつの作品を作っていく。
つまり、この演出家役は「演出家と脚本家と俳優」を同時に全部兼ねるようなもので、頭の回転が早くなければとてもではないができない。自分には絶対に無理だ、と一年前には思っていた。

その演出家を今、自分がやっている。人生なにが起こるか全くわからない。
しかし自己分析はあながち間違いではなく、やっぱりそんなに得意ではなかった。演出の越谷さんのダメ出しでキャパオーバーし、情けないが2時間涙腺崩壊しながら稽古をしていた。
その後も何回も稽古をし、最近やっと、面白くできそうだと光明が見えてきた。
本番まであと僅か。もっと効果的に、もっと演劇的に面白く。あがいております。
劇場でその成果をご覧下さい。
お待ちしております。

太田成美

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あたしのおうち

2018年度研修プログラム修了公演『あたしのおうち』
日程:2019年3月6日(水)~10日(日)
会場:大森山王FOREST
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2019年度研修プログラム「俳優になるための年間ワークショップ」
オーディション開催中
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年間ワークショップ参加者体験談
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