稽古場日誌

methods&過妄女 研修生 2019/06/14

恋の駆け引きはいつも下手でした

2019年度、劇団山の手事情社研修生になりました櫻井いろりです。よろしくお願い致します。

私の恋はいつも両極端だった。
クールでミステリアスなお兄さんか、気弱でなんでも気楽に話せる無邪気に笑う方か。

女性を好きになったことが二度あるけれど、片方はミステリアスで片方は無邪気な方だった。
性別問わずこの両極端。

ただ、長くお付き合いできたのはやはり無邪気なタイプの方だ。
きっとミステリアスなお兄さんに気が行くのは、自分にはない憧れからだと思う。
そういう人になりたいけれど到底なれはしないから憧れることで補っている。恋する自分に恋してる、どちらかといえばファンに近い状態。

私は束縛されるのが得意ではない。一緒にいる時間が長くなればなるほど喧嘩の確率も上がる。生き方に口出しされたくないし、そこら中に貼った私のメモ達もスルーしてほしい。でも寂しがり屋で、一緒にしょうもないこともしたい。私の意味のない構ってアピールを面白いと思ってほしい。

怖。

今回の『過妄女』の稽古を見学させて頂いても、「うわぁ、いるいるこんな人」と思いながら、自分もそのこんな人の一部を持っていると改めて認識しています。特に私はトレープレフに共感します。彼が最後にした事は、彼の戯曲の一部なのだろうか。ニーナにあれを渡した日から、彼の渾身の戯曲が始まっているように感じてならない。

私は役者に向いてるか向いてないかと問われれば「向いていない」と即答していた。
ですが、馬鹿みたいに向いてない私という人間が、何より私の内に秘めた最強のパワーなのだ。
日々の稽古や見学を通して、私は私をアップデートし続け、弱さを目一杯抱えて堂々と立っていたいと思う。

櫻井いろり

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劇団山の手事情社 創立35周年記念公演
『methods』2019年6月21日(金)~24日(月)
『過妄女』2019年6月26日(水)~30日(日)
会場=下北沢 ザ・スズナリ

詳細は こちら をご覧ください。

『methods』&『過妄女』

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