稽古場日誌

ダイバー研修生 研修生 2015/01/16

空気/穂坂拓杜

初めまして
山の手事情社2014年度研修生の穂坂拓杜です。
現在、山の手事情社では「テンペスト」が上演中です。水面下では3月中旬の研修生修了公演にむけて稽古が進んでいます。

ちょうど一年前の冬、山の手事情社の体験WSで、俳優のデモンストレーションを見たとき、目の前の「空気」が変わって動くのを体験しました。その後、本番の舞台を観劇。濃密でした。2時間半くらいの映画を観た後のような疲れを感じました。時計をみると90分しか経っていない。なんだこれは。なんだかわからないけどすごい。
この「空気」をあやつるプロの俳優って? 資格? 矜持? 才能? 努力? 経験? そんなことを考えていたら飛び込んでいました。

僕はどこかでみた顔をしています。普段は学生ですが、学校に行くと僕と似たような「空気」を持つ人が多いです。その「空気」の中では大概なんでもスイスイっと進んでいきます。いやはや現実的で効率的。
僕はマイぺースだねと言われることがあります。頭の中で考えていることに整理がつかず何も言わないまま、そのもどかしさを隠して場の効率を重視してしまいます。それが隠せていないのか、もしくはたまにピンと来た時に口を開くからマイペースに見えるのかもしれません。
山の手事情社で稽古をしていると効率だとか言ってられず、とりあえずやってみるしかない。集団の中に何か新しいことが生まれる、「空気」が動きそうな感じがして面白いです。どれだけマイペースを崩せるかが、僕の研修生生活の意義を決めるのではないかと思っています。

穂坂拓杜

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