稽古場日誌

ダイバー研修生 研修生 2015/01/21

私の頭の中の・・・/武藤知佳

2014年度研修生、唯一2年選手の武藤知佳です。
昨年に引き続き、山の手事情社研修生の日々です。

去年はやることなすこと新鮮で、いちいち戸惑いながら、目の前の事でいっぱい、いっぱい。2年目は少しは落ちついて取り組めますでしょうか・・・ と心のどこかに淡い期待がございましたが、当然のことながら、演劇はそうは甘くない様です。今年も数々の壁に囲まれながら、もがいております。
そんな状況も“おもしろい”と思う、なんてことができたらいいな、と考えながらもなかなかうまくいかないのが常というもので・・・

「っていうか“おもしろい”ってなんだ??」

煮詰まってくると、よくぶち当たる壁のひとつがこの“おもしろい”の壁です。

身近な人や街で見かけた人など、生活の中にいる面白い人の真似をする《ものまね》をつくっている時、日常的な動きなどをもとに創作的にダンスを作る《ルパム》の稽古中、日常の中で起こりうるできごとから作る寸劇《ショート・ストーリーズ》の話し合いをしている時・・・ 中でも一定のルールに基づいて即興的に演技をする《フリーエチュード》の稽古の後などは、私の頭の中には“おもしろい”の壁がそれはもう、最近はやりの妖怪の一種なんじゃないかと思うくらい、行く手を阻んでくるのです。

仲間とつくっている時には、当然意見が合わなかったり。
ひとりでつくる時には、“おもしろい”と思ってつくっていても、本当に“おもしろい”のか? と不安になったり。
試行錯誤を繰り返しても“おもしろい”と思えるものに辿り着かなかったり。
時には、自分の中では笑いがとまらないくらい“おもしろい”と感じたのに、それが人には伝わらなかったり。

モヤ、モヤ、モヤ、モヤ・・・・・・
いかん、これでは妖怪の思う壷ではないか!

そんな矢先に、私たちの修了公演のタイトルが『ダイバー』に決まりました。

きっと溺れそうになったりすると思いますが、最後まで泳ぎ切るぞ!! ・・・私の頭の中の妖怪に四苦八苦ながら、そんな思いで取り組んでまいります。

武藤知佳

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