稽古場日誌

ダイバー研修生 研修生 2015/03/12

時間、時間、時間/武藤知佳

本番まで1週間を切りました。

あのシーンもこのシーンもまだまだ稽古したい!!
朝起きて、稽古場に向かい、あっという間に1日が終わる。
そして、帰って寝て、また次の朝を迎える。
ご飯を食べたり、歯磨きをしたり、お風呂に入ったり、日常は営んでいるとはいえ、何と言っても時間が足りない!!

「ダイバー」の中に織り込まれている戯曲「ヴォイツェク」の中で私は、せかせかと働き暮らしているヴォイツェクとは対照的に、時間を持て余し、退屈を貪っている大尉を演じます。

暇ってなんだっけ??
時間がありすぎるってどういうこと??

追い詰められれば、追い詰められるほど、大尉の状況から離れていく気がして、焦る、焦る・・・
でも視点を変えれば、自分とかけ離れている人物を理解することができたら、演じることができたら、そんな楽しいことはないのかもしれない。
そして、自分とかけ離れているように感じても、大尉の片鱗がわたしの中の欠片とつながることもあるかもしれない。

あと数日、すこしでもその楽しさに、発見に、手が届くように、そしてご来場くださるみなさまの心に何かが届く作品となるよう、最後の最後まであがいていきたいと思います。

私たちの稽古に足を運びダメだしをくださったり、差し入れをくださったり、舞台・衣装・音響・照明などの打ち合わせや作業を夜遅くまで担ってくださっている先輩方、応援してくださるみなさま、そして演出の美智子さん、くみこさんに感謝、感謝の毎日です。

研修生一人ひとりが、自身の内面に、人間の中に、演劇という表現に、どこまで深く潜れるか・・・
私たちのダイブする姿をぜひ劇場でご覧いただけましたら幸いです。

武藤知佳

稽古場日誌一覧へ