稽古場日誌

うリアしまたろ王 安田 雅弘 2018/10/18

千荊万棘[せんけいばんきょく]の日々

戦中を描いたドラマや映画などで、最前線で飢餓状態にある兵士たちが食べ物のことしか頭に浮かばないという場面がある。比較するのは失礼かもしれないが、いや明らかに失礼だが、一日中、文字通り朝から晩まで稽古場に閉じこもってい...

テンペスト(2018年) 安田 雅弘 2018/05/20

クライオーヴァのこと

フェスティバルディレクター、エミル・ボロギナ氏と  ルーマニアのクライオーヴァに初めて出向いたのは六年前のこと。そこでヨーロッパ有数のシェイクスピア演劇祭が一年おきに開かれている、ということは九年前から知っていた。演劇...

テンペスト(2018年) 安田 雅弘 2018/04/11

稽古場の日々

 稽古は14:00に始まる。俳優はそれまで各自身体をほぐし、発声練習をして喉の調子を整え、稽古場の掃除をする。少し早めに来て、自分たちの出演シーンを練習しているグループもある。 14:00になると「朝輪[あさわ]」と呼ばれるミ...

傾城反魂香 安田 雅弘 2017/09/01

《四畳半》への道のり

 「これじゃ勝負にならない!」というショックがきっかけだった。  30代になって間もなく、フランスのアヴィニョンとイギリスのエディンバラというヨーロッパの二大演劇祭に出かける機会があった。行かれた方はごぞんじだろうが、生...

ワークショップ外部活動 安田 雅弘 2017/07/31

演劇に近づく! 『仮名手本忠臣蔵』に迫る!

去る4月末から7月頭にかけて大田区民プラザで、講座とワークショップを実施しました。その様子をお伝えしましょう。 さまざまな内容の、5つの講座と1つのワークショップが五月雨式に開催されました。講座の一番手は「エンゲキのアレコ...

班女 安田 雅弘 2017/06/16

The 8th Gallery(エースギャラリー) という会場

かつて目黒の大鳥神社の近くに暮らしていたのだから、一度や二度は建物の前を通ったことがあるはずなのだが、いやはやこんなオシャレなホテルがあったとは…。そしてここが『班女』の会場とは…。噂では数年前にオーナーが変わって大改...

オイディプス@Tokyo 安田 雅弘 2017/02/09

変態準備中の「若手公演」

劇団のメンバーは「旧人」と「若手」に大別される。「旧人」なんて、化石人類ネアンデルタール人のようだが、言うまでもなく「古参の人」「以前から所属している人」という意味である。これは劇団を立ち上げた頃の、大学の演劇研究会...

ワークショップ外部活動 安田 雅弘 2016/08/22

食わず嫌いを減らしたい

学校の教科にもなっていないので、どうしても「演劇」と聞くと、「自分とは関係ないっ」ていう人が多い。でも「そんなことはないっ」てお伝えしたいのが、演劇ワークショップの基本的なあり方です。 まず、演劇の稽古に触れることで、...

タイタス・アンドロニカス/女殺油地獄 安田 雅弘 2015/11/11

「女殺油地獄」について

12日木曜日から「女殺油地獄」が始まります。3年前にルーマニアで製作しましたが、今回は全くコンセプトを変えました。油屋の不良息子が、近所の別の油屋の奥さんを借金苦の中、衝動的に殺してしまう話です。歌舞伎や文楽だと、不良息...

タイタス・アンドロニカス/女殺油地獄 安田 雅弘 2015/10/17

葬式と演劇と悲劇

劇団稽古場のある、大田区池上は、毎年10月12日に、「御会式[おえしき]」という行事で熱を帯びる。鎌倉時代の仏僧である日蓮上人が入滅した、命日13日の逮夜、すなわち前夜の供養だ。本門寺の境内と参道はもとより、地元の商店街も...