公演情報

[2004年]道成寺(第11回BeSeTo演劇祭)

第11回BeSeTo演劇祭 日本代表作品 山の手事情社特別無料公演

日本のレビューをお見せします。

「道成寺」をめぐる三つの伝説。ひとつは「黒髪縁起」。髪長姫(かみながひめ)の物語。髪の毛の生えてこない娘の生前の罪をつぐなおうと、海の底から出るあやしい光にむかってもぐる母。母の毛にからまった黄金の仏像の霊験で娘・宮子姫はすばらしい髪の持ち主となり、ついには聖武天皇の生母となる。二つめは「鐘巻縁起」。有名な安珍清姫の物語。熊野詣での若僧・安珍に清姫が恋慕し、約束を裏切られたことから大蛇となって、道成寺の釣鐘に隠れていた安珍を鐘もろとも焼き殺す。三つめは鐘の再興供養の場に白拍子があらわれ、鐘に対するうらみを述べて蛇体となるものの、僧の供養で成仏する「鐘供養」。
二つめ、三つめの話をもとに、能『道成寺』、歌舞伎『京鹿子娘道成寺』、浄瑠璃『日高川入相花王』をはじめ、日本舞踊、数多くの民俗芸能、郡虎彦や三島由紀夫の戯曲と多くの芸能が発生した。なぜ日本人はこれほど「道成寺」の話に惹かれるのか。日本人であることと「道成寺」にはどのような関係があるのか。私たちにとって「道成寺」とは何か。


「道成寺」は能として完成されてから、その時代時代の新しい表現とともにあった。能では現在、能楽師が一人前として立つための卒業試験の意味あいがあるという。能のもっとも能的なものが凝縮しているということなのだろう。 歌舞伎でも数多くの「道成寺」物が作られ、演者はおのれの得意分野をそれぞれの作品に仮託して芸を競いあってきた。「娘道成寺」はその代表的なものだろう。伝統に依って考えるなら、「道成寺」とは、日本人がその時代の新しい考え方、得意な技を駆使した作品をつくるのに適した作品だと言えるのではないか。  早春の道成寺や熊野路を旅して感じたことは、私たち日本人があの地域に強く惹かれるのは、再生のイメージのためではないか。しかも満開の桜のもとで、私たちの先祖は「再生」を祈ってきたのである。
[安田雅弘]

構成・演出

安田 雅弘

キャスト

山本 芳郎
倉品 淳子
内藤 千恵子
浦 弘毅
大久保 美智子
水寄 真弓
太田 真理子
川村 岳
斉木 和洋
岩淵 吉能
野々下 孝
山口 笑美
森谷 悦子
鴫島 隆文
名久井 守
久保村 牧子
本名 貴子
中村 智子
野口 卓磨
横田 七生
後藤 かつら
植田 麻里絵
根本 美希

照明・舞台美術=関口裕二(balance,inc.) 音響=斎見浩平 衣装=渡邉昌子 演出助手=小笠原くみこ
制作=福冨はつみ

製作=UPTOWN Production Ltd.

2004.11.22・23 [ 早稲田大学 大隈講堂]

全席自由 無料
事前にご予約の上お越しください(11/8(月)より予約開始)。
ご予約の際はお名前・ご住所、電話番号、枚数(お一人様2枚まで)
をお知らせください。

TEL:03-5760-7044(平日13時~18時)
E-mail:ticket@yamanote-j.org(各公演日深夜0時まで予約可)

●受付開始:開演1時間前
●開場時間は当日受付にて発表します。
●受付先着順 整理番号配布(全席自由)
●開演を過ぎますと、ご入場できない場合があります。
●当日ご予約無しでお越しのお客様は最後の入場になります。

[ お問合せ ] 山の手事情社/UPTOWN Production Ltd. 03-5760-7044

 

11/22
mon
23
tue
16:00 ●
19:00 ●

11/22(月)の回では、早稲田大学演劇博物館館長の竹本氏より「道成寺」について約20分の解説があります。

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