公演情報

[2000年]青い鳥

'99やまなしTheater College公演
山梨県立県民文化ホール
静岡舞台芸術公園 楕円堂

山梨県にプロの劇団を作る。
今回の企画の目的は、山梨県にプロの劇団を作ることである。一年でプロの劇団が無理ならば、プロの劇団がどのような情熱でいかなる方法を用いて活動をしているのかを体験したり、感じたりすることはできるだろう。それをヒントやきっかけにしてプロの道を模索することは可能だろう。私はこの一年、参加メンバーに対してそのような心積もりで接してきたし、彼らもそれに応える活動をしてきたと思っている。
メーテルリンクの『青い鳥』はおよそ一世紀ほど前に書かれ、1908年にモスクワ芸術座でスタニスラフスキーによって初演された。有名な作品だが、戯曲の形で書かれていることは案外知られていない。ストーリーはよく知られている。妖精に命じられて青い鳥、すなわち幸福を探しにチルチルとミチルの兄妹が旅に出る話である。さまざまな国を旅しても青い鳥は見つからず、家に戻って目を醒ますと家の籠に発見する。私は、テキストには極力忠実に、しかし結果としてはメーテルリンクを借りて、現代の日本が描きたいと思っている。
先祖から見たら、私たちは一見王侯貴族のような暮らしをしている。飢えも身分制度もなく、暑さ寒さは空調でしのぎ、夜中のコンビニで栄養ドリンク片手におでんを食べている。それでいてなお、私たちは時として、あるいは日常的に「自分はこの社会に不適格なのではないか」と疑わざるを得ない感覚の中に漂っている。今年も新記録を更新しそうな自殺者の人数や、増加傾向にあると思われる心身症に苦しむ人々を引き合いに出すまでもないだろう。青い鳥を探す行為を、私たちはいまだに陳腐にできないでいるのだ。
安田雅弘

[ '99やまなしTheater Collegeについて ]
この公演は、舞台芸術活性化事業として、地域で活動する演劇人と全国レベルで活躍する演劇人の共同作業によって創造されたものです。本年度は、山梨県と静岡県で同時的に作品を発表し、併せて舞台芸術の専門家や関係者を交えて、地域での創造活動の問題点や課題を整理し、地域での創造活動の在り方を論議します。そしてそれらを次に繋げてゆこうとするものです。'99やまなしTheater College(初級講座と上級講座のワークショップ)には、県内全域から一般公募で50名余の人達が参加しました。5月に開始した初級講座を経て上級講座に進んだ20名余が、この公演に参加します。これらの受講生は、8月から半年間に渡ってプロ並みの訓練を受け、高いハードルに果敢に立ち向かっています。稽古場での輝いている彼等の顔に確かな手応えを感じます。暖かい声援をお願いする次第です。

'99やまなしTheater College実行委員会会長
三井俊之

構成・演出

安田 雅弘

キャスト

原作=メーテルリンク 地域プロデューサー=三井俊之 ルパム振付=山本芳郎 舞台美術=長谷川尚美 衣装=太田真理子 照明プラン=関口祐二 照明操作=高松公男・村野井千鶴・大規一夫 音楽=江村桂吾 音楽助手=山本高広 舞台監督=飯野洋光 宣伝美術=福島治 製作協力=劇団山の手事情社・UPTOWN Production Ltd. 製作=財団法人やまなし文化学習協会 主催=財団法人やまなし文化学習協会・’99やまなしTheater College実行委員会 共催=山梨県・財団法人地域創造 後援=山梨県教育委員会・山梨県芸術文化協会・山梨演劇協会・山梨日日新聞社・NHK甲府放送局・山梨放送・テレビ山梨・エフエム富士・FM甲府・山梨新報社・朝日新聞社甲府支局・読売新聞社甲府支局・毎日新聞社甲府支局 総合プロデューサー=鈴木忠志 協力=演劇人会議
[ '99やまなしTheater College実行委員会 ]三井俊之・飯野洋光・市村豪樹・保坂美奈子・萩原興洋・北田映乃・石原伸・齋藤綾乃・小林忠樹・市川啓子・小林尚子・金子正子

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