公演情報

印象タイタス・アンドロニカス

山の手事情社公演

私たちはまだそこに住んでいる。

残酷な復讐物語は過去のものだというが、本当にそうか。>増加しつづける自殺志願者や、心身症予備軍は文明の扱い方と扱われ方に対する人間の明らかな復讐ではないのか。自らを不適格者と疑わせる世界、私たちはまだそこに住んでいる。

息子を殺され、愛する娘の両腕を切り落とされ、下を抜かれ、さらに自分の腕まで切り落とされ、名誉を奪われたローマの将軍タイタス・アンドロニカスの復讐劇。〈ハイパーコラージュ〉、〈型〉、〈ルパム〉など近年蓄積してきた現代演劇の先鋭的な手法を駆使して、現代社会と復讐の関係を「印象」という形で詩的に物語る、山の手事情社の新生面を開く意欲作。

構成・演出

安田 雅弘

キャスト

山本 芳郎
倉品 淳子
三村 聡
水寄 真弓
内藤 千恵子
大久保 美智子
井上 奈保未
浦 弘毅
浦浜 亜由子
山口 笑美
太田 真理子
斉木 和洋
長谷川 尚美
祁答院 公継
川村 岳
岩淵 吉能

原作=W.シェイクスピア
照明=関口祐二 音響=江村桂吾 舞台監督=黒田隆行 衣装=渡邉昌子 舞台美術=安田雅弘・福島治・黒田隆行 宣伝美術=福島治 劇団スタッフ=小笠原くみこ 制作=奥林啓史南千歩 製作=UPTOWN Production Ltd.

「タイタス・アンドロニカス」はシェイクスピアの作品の中ではあまりなじみがない。生前人気を博しながら、死後これほど粗末に扱われた作品は他に例を見な いという。理由は、この作品が本当にシェイクスピアの手になるものなのかどうか、長いこと疑われていたためであり、今日の定説としては「劇詩人ジョージ・ ピールの書いたものにシェイクスピアが手を入れたということになっている」(福田恒存訳「シェイクスピア全集」新潮社)。高校生のころ実際の舞台を見て、 その内容の残酷さと登場人物のおろかさに辟易した記憶がある。しかし、近頃読み直してみると、その残酷さとおろかさには私たちが生きている現代の世界に通 底する「何か」があり、それこそがこの作品の魅力なのだと思うようになった。その漠然としているが強烈に感じた「何か」を作品づくりの中でさぐっていきた いと考えている。 

1999.5.1 – 2 [ 利賀新緑フェスティバル'99 ]
1999.7.8 – 11 [ 全労済ホール スペース・ゼロ ]

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