「Anniversary」終了しました


たくさんのお客様にご来場いただき、好評裏に幕を閉じました。
ありがとうございました。
彼らの今後の活躍にご期待ください。


「俳優になるための年間ワークショップ」2017年度オーディションを開催します。
次回オーディションは4月16日(日)です。
詳細は専用ページをご覧ください。


また、オーディション前に「一日体験入団」を開催します。
「俳優になるための年間ワークショップ」でどのような稽古をするのか、一度体験してみませんか?
次回開催日は4月8日(土)です。
オーディション受験をご検討中の方は無料で参加できます。
詳細は専用ページをご覧ください。

変態たちのうたげ


演劇の効能のひとつは、世間的に間違っているとされていることを最大限に肯定することだと思う。
変態、犯罪者、オタク、メンヘラ、キチガイ、などなど種種雑多な常軌を逸した人たちやものごと。


例えば、2000年以上前にギリシャで書かれた『オイディプス王』という作品に出てくる主人公オイディプス。
そうとは知らずに実の母と交わり、実の父を殺した男。
「あちゃあ、やってもうた。おっとはん殺してもうたし、おっかはんと結婚してもうた、子供も作ってもうたー」
その事実に気づき、自らの目をえぐった男オイディプス。
「かなわんなー、もー、えーい、もう何もみたくないわーい」


演劇というのは、そういうどうしようもないやつを描いているのである。


『Anniversary』も人間のダークサイドを徹底的に肯定した作品なのだろう、きっと。
だって、演劇だし、山の手事情社のお芝居だし。
逆にメルヘンな世界が繰り広げられていたり、まっすぐな思いがぶつかりあう、ちょっとおセンチな青春芝居だったら、びびる。
ちょっと見てみたい気もするが。


今回は、音響としてこの公演に関わっているので、少し稽古を見ているが、直球を投げていると思わせつつも、ぐずぐずな奴とか、ええ感じのワルとか、うっとおしい奴とか、不器用で笑える奴とか、キレ者の風貌なヌケ者とか、個性のきつい奴が揃ってまっせ。
本番が近づくにつれ、作品は少しづつよくなってきています。
ぜひ、みなさま会場でこの変態たちを目撃してください。


斉木和洋


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2016年度研修プログラム修了公演「Anniversary」
日程:2017年3月23日(木)~26日
会場:シアターノルン
詳細はこちら


2017年度研修プログラム「俳優になるための年間ワークショップ」
オーディション開催中
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■年間ワークショップ参加者体験談
■年間ワークショップカリキュラム

研修プログラムの歴史


「カレーライス」「full full」「hola!」「こんな奴ら。」「デコ」「春琴しよう」「The Dead Father」「juice」「道路の路」「つぶやきとざんげ」「ダイバー」「燦燦と淡淡と」


これらは、過去の研修プログラム修了公演のタイトルです。


2004年度から公演と名を打ち、タイトルをつけ、チラシを作り、一般のお客様にご覧いただくようになりました。
タイトルは、その時の演出担当がつけます。演出担当は、ベテラン劇団員が担い毎年かわりますので、こんな風に色々なタイトルになるわけです。


2016年度のタイトルは「Anniversary」。ようやく劇場に入り、初日まであと数日と迫ってきました。公演の内容や出演者の紹介は、ぜひ劇場でご覧いただきたいので、ここでは割愛させていただき、研修プログラムについて、書こうと思います。


山の手事情社の研修プログラムは、1996年に開始しました。それまでは、1日のオーディションで劇団員合格・不合格が決まっていたそうです。私は1996年研修生第2期に入りました。当時は半年の研修期間でしたが、その後1年間になりました。


私が研修生だったときは、最後の稽古日に劇団員全員が稽古場へやってきて、《発声》《歩行》《平行》《二拍子》《ものまね》などの基礎稽古を見るというものでした。当時のエチューダー(講師)の劇団員のアイディアで、《平行》をアレンジして腕をグルグル回しながら移動するシーンをつくり、最後の稽古日に見せた記憶があります。いわばそれが、劇団員になれるかなれないかのオーディションだったわけです。(驚!)


そこから、基礎稽古だけではなく、稽古で出てきた様々な面白いシーンを見せる、となりました。このときは、シーンの組み合わせに意味はなく羅列して見せるというものでした。この頃から劇団員だけが見るのはもったいないから、興味がある知り合いに声をかけてご覧いただこうとなり、今では一見脈絡のない様々なシーンやネタに、大きなテーマを見出し、1つの芝居に仕立てるまでになりました。


研修プログラムは、そこに参加している研修生の俳優としての成長を促す期間でもありますが、演劇を見直し新たな気持ちにさせてくれる、劇団にとっての成長を感じさせてくれる大事なプログラムだと思っています。きっと劇団員も修了公演を毎年ワクワクしながら観劇していると思います。


さて今年の修了公演。私は演出の立場なので、ワクワクではなく、胃がキリキリしている日々ではありますが。とにかく劇団員はもちろんのこと、劇場に来ていただけるお客様の心に届くように、あと少しふんばります。


劇場でお待ちしております。


小笠原くみこ


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2016年度研修プログラム修了公演「Anniversary」
日程:2017年3月23日(木)~26日
会場:シアターノルン
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余計なお世話



零大、ちゃんと飯食ってる?


草食系でも構わないけど、あんまり青白い顔していると女の子にモテないよ。


たまには焼肉でも食いに行って脂っこいものいっぱい取ってギラギラしてみたらどうだろう。


零大の顔はよーく見ると、部分のパーツは結構イケメンの感じなんだよなあ……と俺は思っているんだけど、あくまで、よーく見たらの話だからね。


やっぱり人間は“パッと見”がすべてだから、あんまり青白い顔をしてない方がいいよ。


せっかく俳優めざしてるんだから、もっとモテないと。


 


零大、勉強してる?


いろいろ仕事して、友達いっぱい作って、関係広げて、経験いっぱい積まないと。


零大という名前の「零」はゼロ、「大」は広がり、だから無限の可能性も意味していて、名前ではたくましくみんなの人気者になることを願ってつけられる漢字だ。


お父さんお母さんはそんな風に願って「零大」の名前をつけたはずだ。


演劇なんかに逃げ込んでちゃダメだよ、演劇続けられないよ。


 


零大、ちゃんと稽古してる?


二年目の意地だよ、去年よりもずっと成長した姿を見せてやろうよ。


零大はたぶん、山の手事情社風の元気ハツラツのスーパーマン的俳優には向いてないかもしれない。


青白いからねえ。


でも結局ただのスーパーマン的俳優なんかには誰も見向きはしないよ。


要は自分の見せ方を知っているかどうかだよ。


取り換えのきかない、唯一無二の俳優を目指せばいいのよ。


そうしたら、舞台の上では「ジャングル大帝」のレオにもなれる。


零大は誰にも真似出来ないキャラをもっているんだから。


『Anniversary』、楽しみにしてるよ。


みなさん、零大に注目!


山本芳郎


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2016年度研修プログラム修了公演「Anniversary」
日程:2017年3月23日(木)~26日
会場:シアターノルン
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決別と記念日


初めてのバイトは、高校3年生の春。
和食料理屋のフロアだった。
ご案内と、済んだ食事の下げ物を一番最初に教わった。
この下げ物。
これがそれまでの私の価値観を変えた気がする。
ゴミ箱の中へ飲み込まれて行く大量の食べ物たち。
綺麗に盛り付けられたにも関わらず、冷えたまま誰にも食べられなかった食べ物たち。


別に環境問題が云々とかは真面目に受け止めちゃいなかったし、他人が残した物を食べたいとも思わないのだが。
茶碗に米粒ひとつ残しちゃいけない、としつけられてきた身である。
大量の食べ物がゴミ箱へ落ちて行く光景とともに、純粋だった高校生の私は何かが壊れた感覚がした。


この世はなんて無慈悲なんだろう。
漠然とそう感じた。
心をこめて作った料理が簡単に捨てられてゆくことに対してか。
それまで教わってきたことと現実のギャップに対してか。
よくわからないショックがあった。
飲食店ではそんなことは当たり前のことであって、ショックなんて受ける方がおかしいのだろうが。
自分でお椀をひっくり返したあの瞬間、 私は核爆弾の投下スイッチを押したような罪悪感に駆られた。
おそらくあれが記念日だ。


あの瞬間から純粋で繊細だった私とは決別し、良くも悪くも社会に適合できる、ある種自分の感覚に蓋をする私と出会ってしまった。
あの時感じたショックが薄れていることがまたショックでもある。


この研修期間は、その自分の感覚に蓋をする私との決別が重要課題である。
社会に適合している場合ではない。
1年かけて殻を内側からも外側からもハンマーで殴って、やっと一部欠けてきた。
高校の時ともまた違った新しい自分。
わがままで頑固で汚くて全部胸張ってこれが私だと言えるような図太さを持った自分。
殻が全部剥けた姿で舞台に立ちたい。
おそらくそれが私の記念日になる。


菅原有紗


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2016年度研修プログラム修了公演「Anniversary」
日程:2017年3月23日(木)~26日
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俳優記念日


忘れもしない1996年、21歳の私は何するわけでもなく、銀座を徘徊し、ただ飲んだくれる毎日でした。
大学進学もあきらめ、エリートだった父親に反発感を持ち「サラリーマンになんかなりたくない」と思い、だがなにかしたいわけでもない。
パチンコ、競馬に明け暮れる、本当のダメ人間でした。


俳優になるきっかけは、私が19歳の時。
父親の「お前は将来何になりたいんだ!」という問いかけに、半分キレながら「俳優になってやるよ!」という私の回答。


芸能界なら両親も想像がつかずあきれ、そして諦めるだろうと思っていました。
しかし、21歳の時父親に「お前は俳優になるって言ったよな、どうなってるんだ?」と言われたことで、半ばしぶしぶ山の手事情社の門をたたきました。


この記憶は私の中で20年たった今も鮮明に覚えています。
あの時父親に言われ、不快な思いをし、意地になっていなければ、俳優活動を40過ぎるまで続けていなかったでしょう。
もし、あの時両親が祝うがごとく私を送り出してくれていたら、この精神的にきつい演劇界、ことに山の手事情社はとっくに辞めていたでしょう。


これが私の俳優記念日です。
華々しい話なんぞ全くありません。
むしろないほうが私にはとてもためになりました。


さて今年の『Anniversary』はどんな内容になるか?
他人ごとのように言わせてもらえば、楽しみである!!


浦 弘毅


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2016年度研修プログラム修了公演「Anniversary」
日程:2017年3月23日(木)~26日
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おとこのきねんび


恥ずかしいからあまり進んで話したくはない。
私の学生時代の話。
高校、専門学校に通っていた頃なので、まあ年齢で言えば16~22歳だろうか。


突然だが、男にとって、異性の家に行く、もしくは、異性が家に来る、というのは何だかとても特別に感じられるものだ。


彼女が家に来る。


学生時代の私は、考えただけでそれはもうソワソワしてしまっていた。


高校で、当時付き合っていた彼女が初めて家に来るという話になった。
ソワソワしていた。緊張もしていた。
親が仕事でいない時間を狙って、彼女を家に呼んだ。
家に呼んでから15分後ぐらいに、ピンポーンと家のチャイムが鳴った。


焦った。


親にバレたらいけないと思った。


おそるおそる覗き込むと、妹だった。
今日に限って何で帰りが早いんだよっ!  と思ったが、妹に事情を話すのも馬鹿みたいなので、自分の部屋に戻って、財布からお札を取り出し、渡した。


「お小遣いあげるから遊んで来なさい」


今思えば邪魔されたくない気持ちで一杯だったなぁと笑える。
何であんなに必死だったのだろう。


専門学校に通っていた時も。
当時、気になっていた女の子が理由は忘れたけど、私の家に遊びに来るという話になった。
その日を指折り数えて楽しみにしていた。
当日、部屋の掃除を徹底し、何だかバカみたいにテンションが高かった。


結局、彼女は来なかった。
ドタキャンされた。


期待していた分、すかされた時のエネルギーといったら凄まじいものだった。
反動で、あの時は家で発狂した。
腹が立った私は、彼女の連絡先を消した。


思い返すとバカだなぁと思うし、話すのも恥ずかしい。
しかし、あの昂揚感、一人で舞い上がっていた当時のあの感覚は、普段はあまり感じることの出来ない特別なものではあった。


先週ちょっとだけ、研修生の稽古を見学した。
見学者がいるとまあ少しはカッコつけたいだとか、自分のエネルギーを見せつけたいと思うのが常。
今回も見学していてそれを感じた。こいつらエネルギーを持て余してるなぁと。
今にも爆発しそうな感じで、それはまあ見せつけたいとかそういう低いレベルでの欲求ではないかもしれないが。


稽古していたシーンで、たまたま出番が少なかった研修生が、休憩中に暴発していた。
銃で言えば、あれは間違いなく暴発。発射じゃない。発散し損ねたエネルギーが居場所も無くバンッ!  と誤射されてしまったかのようだった。


「あーあ、良い意味で舞い上がってんなぁ。不安だとか、とにかく色んなもん溜め込み始めてるんだな」


自分の稚拙なお話と一緒にしてしまうのは本当に恐縮だが、私は、公演当日、彼らが徹底的に準備したであろう、彼らの家に遊びに行くのが楽しみ。
昂揚し、ソワソワもしながら、必死に私たちを楽しませようとあの手この手で死力を尽くしてくれるはずだから。


髙坂祥平


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2016年度研修プログラム修了公演「Anniversary」
日程:2017年3月23日(木)~26日
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踏ん張る記念日


「気づく」ということは本当に難しいことだと思う。
ものによっては、苦しいし、逃げたくもなる。


私は長年、ダンスを続けているが、踊っている最中に限って、身体を大切にしていなかったことに最近気づいた。
与えられた形をそのままこなして、そこに何の意味も、欲も感じていなかった。
驚くことに、「振り」というものを与えられていない状況で、さぁ身体を動かしてみろと言われた時、私は何も動けなかったのだ。
かなりショッキングだった。
「踊れる人は、動ける」これは大きな勘違いだった。
今現在、どうしたら身体が面白くなるのかわからない。
面白くないという現実を噛み締めなければならない。
辛いし、悔しいことだが、同時に、私の人生において大きな変化のきっかけであることは間違いない。
考えてみれば、全く知らない自分の身体を見つけ出す、絶好のチャンスである。
ここからはどう踏ん張るか、それに尽きるだろう。


身体に限ったことではない。
人生には、気づくことで見えてくるものがある。
そして自分の、新しい、あるべき姿を生み出すことができた日が、私にとって1番の記念日だ。


喜多京香


 


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2016年度研修プログラム修了公演「Anniversary」
日程:2017年3月23日(木)~26日
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記念日とドーナツ


ぽっかりと穴があいて、そこでは何かが疼いている。
私たちの多くは、そんなことにも気づかずに、とぼとぼとそこらを歩いているのかもしれない。


わたしにとっての「記念日」、それは、自分が誰なのかわからなくなる瞬間である。
実感するのが怖くて、やたらと身体を動かし、自分を説明しようと踏ん張ってしまう。
動き回り症候群のわたしは、小さい頃からその気配を感じることを恐れてきた。
かといって、その麻酔はいつも完璧に効いてくれるわけではない。


その瞬間に訪れるある種の衝撃は、自分の中にある穴をふさいでくれるわけでもなく、その存在を囃し立て、逆撫でし、その周囲をちょこまかとくすぶってくる。
とてつもなく不快なものだ。
イソジンなんて比ではない、強力な消毒液のようなもの。
そう、ひどくしみるのだ。


いやだ、いやだ、やめてー!!!
小さな頃、怪我するたびに、その傷の痛みよりも消毒されることの方が恐ろしかったことを思い出す。


その不快感とはうらはらに、傷口を開き、そこに潜む何かと向き合うかどうかは自分の意思に託される。
ああ、見たくない、考えたくない、誰だかなんて、どうだっていい。
いっそ穴があいていた方が通気性も良さそうだし、気持ちがいいんじゃないか?
そうやって、目を背けたくなる気持ちは溢れんばかりである。


こうやって言語化するのも嫌な気持ちでいっぱいではあるが、その瞬間をわたしは「記念日」と呼ぼう。
そこで何を選択するかどうかはさておき、全ての選択肢を与えられ、全身全霊でゆらぐ瞬間なんだ。
ぽっかりとあいた穴の中で疼くものと、どのようにお付き合いするのかどうかも含めて全部。


こんなことを考えていたら、コンビニの店頭に並んでいる穴のあいたドーナツが、なぜか、とてつもなく、憎い、敵のように思えてくる。
ちくしょう、貴様は甘いくせに……。
いっそのこと穴のあいていない「あんドーナツ」になってやる。
でも、ちくしょう、シンプルなドーナツの方が売れるんだよな。


訳のわからないことを考えながら、今日も稽古場からの帰路をとぼとぼと歩いている。


結局、ここには書けない「記念日」がたくさんあって、無視してきてしまったものもあれば、ずっと肩をくんできたものもあったな、なんて。


あ、そろそろ行かなくちゃ。
「Anniversary」に登場する8人と一緒に。
妄想のなかの竹やぶへ。


柏原有里


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2016年度研修プログラム修了公演「Anniversary」
日程:2017年3月23日(木)~26日
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ニヤニヤ


付き合った記念日に、恋人たちは何をするのか。
ご馳走を食べるとか、プレゼントするとか、私にはどうもピンとこない。


大体の記念日は、覚えているからこそ意味があるのだと私は思う。
覚えられないなら、結婚記念日も誕生日もいらないだろう。
それでも『その日』というものに執着してしまうこともある。
私にとって記念日ってマラソンの給水地点みたいでもある。
「ここまで頑張ったね。また頑張ろう」と言われている気持ちになれるからだろう。


なんだかんだ言っているが、記念日を忘れるわけではない。
忘れるどころか、昔から覚えなくていい日にちまで記憶してしまう。
特に仲良くない人の誕生日、中学の入学式の日、友達カップルの記念日、スキーで骨折した日、高校の修学旅行の出発日、好きな人に振られた日、初めてビールが飲みたいと感じた日……。
覚えてはいるけど、別に自分から「今日は○○の日だよ!」なんて言ったことはない。
言って「だから?」と言われるのも嫌だし、他人と共有したいわけでもない。
唯一することと言えば、ニヤニヤすることだろうか。
あれから5年かー、なんて思いながら、喜んだり、安心したり、驚いたりする。
あの頃から私はどう変わったのか、あの頃想像していた未来とどう違うのかを考えているのが面白いのかもしれない。


そんな私は公演中に、産まれて10,000日目を迎えるらしい。
ニヤニヤする余裕があるのかはわからない。


榎本倫子


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2016年度研修プログラム修了公演「Anniversary」
日程:2017年3月23日(木)~26日
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