10/06/04

オイディプス王

ペーチ本番

シビウと違い、仕込み日が1日多くあり、余裕のあるタイムスケジュールで動くことができました。めずらしく、近くのレストランできちんと食事を取ります。

劇場のスタッフは、皆親切。ロビーでパソコン作業をしていると、寒くないかと1時間ごとに聞いてきます。劇場の洗濯機を貸してくれ、私物を洗濯したら、衣装係りのおばちゃんが、パンティーまで干してくれます。照明担当のイカしたおじさんは、昼休憩にビールを買い込んできて、日本人スタッフにご馳走してくれました。

劇場の目の前には、小さな商店があります。鼻ピアスをしたかわいいオネエちゃんと、手首に「犬」という文字を刺青しているゴツいオネエちゃんが店員さんです。二人もとても親切に対応してくれます。

なんだか、とても親切な人たちが多いハンガリー。いざ、開場時間になると満席です。ルーマニアと同様、いろんな方がいます。そして、上演中はほとんどの方が身を乗り出して見てくださいました。カーテンコールは5回! ルーマニアと違いスタンディングオベーションはしない風習とのこと。みなさん座ったままですが、熱心に拍手をし続けてくれました。

どうやら、私たちの作品は、受け入れてもらえたようです。

明日は、オフ。他のお芝居を見たり、観光いたします!

10/06/02

オイディプス王

ペーチ1日目

ルーマニアのお隣、ハンガリーのペーチ市へ向かうべく、我々はバスで移動しました。
シビウ市を抜けると、行けども行けども田園風景。ハイジとペーターの世界が広がっていました。数日前の土砂降りで高速道路が閉鎖されているとか。下道を永遠に走り続けます。
やっとたどり着いた国境で、検問。EU加盟国同士の行き来ですから、それほど問題は起こらないだろうとの予想で、軽く考えておりましたが、1時間以上も足止めを食らいます。
東欧では日本人はおろかアジア系の人々は、ほとんどみかけません。それゆえか、やたらと厳しい顔つきで、我々を見ています。結局、何事もなく無事に通過。ハンガリーへと踏み込みました。

さらにそこから下道を走り続け、やっとペーチ市へ、合計10時間以上かかり到着。移動疲れで早くベットに入って眠りたいと皆が思っている中、ホテルのチェックインなどを済ませます。いわゆる「宿帳」のようなものを、どこのホテルに行っても記入するのですが、せいぜい名前と住所とパスポートナンバー、生年月日くらいの情報しか書き込む欄はありません。しかし、ハンガリーでは、「母親の旧姓」を書く欄があります。!?!?!?!? これは割りと一般的なことらしいです。ハンガリーまで来て、何故か個々の家庭の事情などが少し明らかになったり、10年以上も一緒にいる劇団員の母親の名前を知る機会となり、ホテルのロビーは、軽い騒ぎとなりました。

翌日。さっそく朝9時から劇場へと入り、仕込みが始まります。
実はここまで、日本人的には不安要素がたくさんあったペーチフェスチバルとのやり取り。どんなアクシデントが待っているかと思いましたが、拍子抜けするくらい順調です。夜には、役者の段取り確認や、シーンを頭から細かく見ていく稽古もでき、明日の本番に備えます。

10/05/31

オイディプス王

シビウ本番日とその翌日

朝から劇場入り。そしてその日のうちに本番。
時間が限られた中で、どんどん舞台セットが組まれていきます。
現地のスタッフがとても協力的なおかげで、概ね順調に仕込みが進みました。
予定より15分押しで、最後のリハーサル・ゲネプロを行います。

フェスティバル運営側から、19時開演を、19時半ころに開演して欲しいとの連絡事項が入ります。フェスティバルですから、前後の公演の状況によっては、こんなことも、しょっちゅうあります。

実際は、19時20分頃スタート。客席は昨年よりマナーが良いようです。(昨年は出入りもフラッシュも多くて・・・)観客席は、子供からおじいちゃんまで、様々な人が詰め掛けています。昨年の『タイタス・アンドロニカス』を見て、今年も見にいらした方も多いとか。カーテンコールは、4回もありました。
言うまでもなく、終わったあとは、「ドッ」っという音が本当に聞こえるほど、体から何かが抜け落ちたような状態です。

さて。その翌日。
安田さんの記者会見が行われます。フェスティバルの最高責任者・キリアック氏も同席。話題はやはり、身体の使い方や考え方に、みなさん興味があるようです。
その後、急遽入ったルーマニア国営放送のインタビューと、シンポジウムに出席。
シンポジウムのゲストは、安田さんオンリー.。
話題は山の手事情社だらけ。おそらく、日替わりで様々な演出家を呼び、こういうことが毎日行われていますから、わたしらだけが特別ではないんですけれど、やはり鼻高々です。

役者は、久しぶりのオフ。みんな思い思いの過ごした方をしたようです。

名残惜しいですが、明日シビウを離れて、ハンガリーへ向かいます。

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