10/08/17
あと半月
一日一回演出安田の怒号が飛びます。
 
稽古場の外にいる劇団員は扉に耳を当て「今日は誰?!」とざわざわ。
 
しばらくすると、若手の一人が目を充血させて追い詰まった顔で出てくる。
 
今回、「オイディプス」も「タイタス」も若手といわれる劇団員が大活躍です。
 
安田も彼らを鍛える為、怒鳴る怒鳴る。
 
 
今日は「タイタス」稽古、また怒鳴ってる・・・。
 
「タイタス」稽古に入るといつも思いだすのは、99年の5月富山県利賀村での初演です。
 
山の手本公演にて初の「四畳半」という様式での公演。
 
私はタイタスの孫の少年役でした。
 
私は武器が入っているという設定の箱を移動させるシーンがあったのですが、どうにも箱を真っ直ぐ移動させられず(四畳半では物は平行に移動させるルールがあります)
ダメ出しで「箱!!」と怒鳴られまくってました。
 
何をやっても芝居に対するダメ出しはなく「箱!!」しか言われません。
 
薄い容器に水を張って水をこぼさないように長い廊下を歩く練習を毎日やっても、稽古では「箱!!」と怒鳴られます。
 
人間存在を否定されたよう怒鳴られます!時にはマイクで怒鳴られます。
 
箱が曲がったくらいでなんだよ、
一瞬なのによ〜〜・・・
 
わけがわからない状態で安田にめちゃくちゃ怒鳴られるので、もう辞めようと思っていました。この公演が終わったら辞める!
 
「四畳半」なんてくそくらえ!!と
 
 
今の若手もそう思っているのかな〜〜(笑)
 
 
その後、私の「四畳半」くそくらえ時代は長く続きましたが。
 
思い返して見ると箱が曲がっていたことというより、どう舞台に立ちたいかが見えなかったのだろうなと思います。
 
 
今回は「タイタス」ではラヴィニア役(タイタスの娘)、「オイディプス王」ではオイディプスです。
 
どう立ちたいか、自分なりのラヴィニア像・オイディプス像により近づけるため「四畳半」を利用して強く存在できるよう、あと半月。
 
さあどう近づいていこうか・・・
 
 
山口 笑美   
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
研修プログラム稽古場レポートも日々更新中!!


