12/11/13

社会人WS

社会人ワークショップ・第五弾「ダンスなんて簡単だ!」                                                         《ルパム》の作り方 その1

「《ルパム》って何!?」

ちょっと堅苦しい話になりますが、
私たちは社会で共存し生きていくために、
自分の感情を押し殺して生活しています。
例えば、人とぶつかるのが嫌でも、
満員電車に乗らなければなりません。
体調が悪くても、仕事に行かなければなりません。
皆さん、あらゆることを我慢して生活していませんか?

そんなこと当たり前だと仰るかもしれません。
みんなそうして生活しているのだと。
ですが、 そのようなことが重なると、
肩がこるのと同じように、
身体の内面(心)も硬くなってしまいます。
気づかないうちに心も身体もカチカチになり、
自分の心、感情に蓋をしてしまっているのです。

それを解消すべく、様々な方法があります。
スポーツをしたり、美味しいものを食べたり。
マッサージに行くのもいいでしょう。
ですが、心までこってしまっている場合、
外側だけほぐしてもなかなか改善されません。
そこに有効なのが、演劇です!

単純に、人は、大きな声を出したり、
動いたりするのは気持ちいいものです。
このワークショップは、人の目を気にせず、
自分の感情を表に出していいところです。
初めは恥ずかしいかもしれません。
ですが、その「恥ずかしい」と思うことも、
既に心が動いている証拠です。

若い方が参加できるワークショップは数あれど、
何故か一番必要としている人が参加しやすいものが
ないではないか!

というわけで、
あえての社会人、30代以上! なのです。

今回は《ルパム》という、山の手事情社独自のダンス
を作ってみるワークショップです。
そもそも《ルパム》は、
「ダンスの素地もないのにどーやって踊るの!?」
という発想から、
「気持ち入れて動けば成立するんじゃないか!?」
と、始まったことがきかっけです。

そんなわけで、《ルパム》は、
何か特別な技法があるわけではなく、
自分たちの身近にある動きから振りを考えていきます。

たとえそれが単純な動きだったとしても、
それに気持ちを加えるだけで、
実はとても複雑で魅力的な動きに変わります。
そして、それは見ている人に伝わります。
要するに、自分の内面が伝わるのです。
内面が伴ったダンス、それが《ルパム》の特徴です。

心と身体を繋がっていれば、自分も気持ちがいいし、
他人も気持ちがいい。当たり前のことのようでいて、
実はそのことを忘れてしまっています。
《ルパム》を作って、その感覚を呼びもどしてみませんか?


三井穂高

※写真は、過去の社会人ワークショップのものです。

12/11/13

社会人WS

社会人ワークショップ・第五弾を開催します!

来月から社会人ワークショップ第五弾が始まります。
今回のワークショップは、
「ダンスなんて簡単だ!」と題し、
演劇的な視点から、ダンスに取り組もうと思います。
ここで改めて、このワークショップの目的と、今回の内容についてお伝えいたします。

山の手事情社では、
バレエ、日本舞踊などの身体の基礎教養をもたない現代日本人に適したダンスはないものだろうかという疑問から、独自に作られた稽古があり、それを《ルパム》と名づけました。
《ルパム》とは、リズム(R)、プレイ(P)、アクト(A)、ムーブ(M)の頭文字を組み合わせた造語です。

「《ルパム》の作り方」と題して数回連載します。
ワークショップに興味がある方も、
ない方も、是非ご一読ください!

11/08/18

社会人WS

番外編 PART-4                                    「いそがしい社会人のための演劇ワークショップ 第二弾」に向けて

「私とドラマ編」
話し手/小笠原くみこ、三井穂高

小笠原(以下、小)…日常のドラマをショート・ストリーズ(以下、S.S)にするんだけど、どんな時がネタになりやすいか。このことを、参加者の人に考えてもらうわけなんですが…

三井(以下、三)…思っている以上に、なかなかムズカシイですよね。最初は、それこそテレビドラマに描かれているようなことになったり、自分の日常の出来事をネタとして提供しようと思っても、なんとなくハズカシイから、差し障りのない出来事だったりして。

小…人間性がばれそうになるから、つい隠しちゃうよね。

三…やっぱり、私は、感情が大きく動いたときが見たい。そういう瞬間を切り取ることが大事だと思うんですよ。

小…うんうん。感情の心電図みたいなものがあったとして、普段は規則的に動いていても、何かが起こったときに大きく線が動いたり乱れたときを、S.Sのネタにするとおもしろいシーンになると思う。

三…劇団の稽古でもS.Sやるじゃないですか。私自身は日常の過ごし方が変わりましたね。何か起こったときに「これって、使えるかも!」ってアンテナを張るようになる。あと、自分も気持ちも他人の気持ちもすごく考えるようになりましたね。

小…客観的に自分のことや身の回りのことを捉える感覚ができるようになる。私は、自分の祖母が亡くなったときに、客観的にその場を見ている自分に気づいたよ。叔母さんや従兄弟の行動とか会話とか、全体を取り囲んでいる空気とか、居心地悪そうな別な伯母さんとか、機械的に動く看護婦さんの言葉とか。あー、人ってこういうときに、こういう行動になるんだなあーって思ったね。

三…そういうときって、決して悲しい気持ちが小さくなったってことではないですよね?

小…そうだね。冷静な態度っていうのとはちょっと違う。自分の中のことと、自分の外の世界、両方にアンテナをはっている状態っていうのかな。

三…今まで自分が漠然と思っていたことが、ハッキリしたり。自分に関係ないと思ってやりすごしていたことが、実はおもしろいと気づいたり。「これはこういうものだ!」って思っていたことが実はそうじゃないって気づいたりするようになりますね。

小…S.Sって、誰か一人が考えた脚本じゃなくて、チームの人のいろんな意見を取り入れながら作るじゃない? 自分が「こんなときにこんな風に感じた」ってことを他の人は違うってこともある。まずそこで、他人と違う感覚なんだってことに気づく。

三…人と違うってことがダメってことではなくて。でも「違うんですね、はいそーですか」となるとシーン作りが進まない。他の人の感覚と自分の感覚をすり合わせる時間が必要。自分の中に、違う意見を一度取り入れたり、出したりしながらシーンを作る作業が大事ですよね。すべてがそうとも言い切れないと思うんですが、相手の意見を取り入れながらすすめたほうが、よりおもしろいS.Sになるな、と思うんですよ。

小…たしかにそうだね。いろんな意見を検証してシーンにしたS.Sのほうがおもしろいことが多いね。

三…S.S作りって、ドラマを支えている人の感情とか感覚とかをより深く、話すことになりますね。



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