13/10/03

演劇的生活No.1

『女優さんなんだから…』

先週、仕事場で質問された。

「嘘くさくない笑顔ってどうやって創るの?」
「女優さんなんだから簡単でしょ?」

どんな職業でも、もしくは日常生活の中でもそんな悩みは尽きないのかもしれない。どうやったら心から笑えるのか、どうやったら感情を相手に上手く伝えられるのか。

「女優さんなんだから簡単でしょ。」と言われてしまったが…どうだろう。女優だから簡単とも一概に言い難い気もするし…。嘘くさいか、くさくないかは人による気がするし、実際に嘘くさい俳優はいるから。その俳優は笑うと嘘くさいかのかもしれないし…どうだろう…ブツブツ。

しかし、私達俳優は成る程! そういった事を日々意識しているんだという事に改めて気づかされた。実はその道のプロでなくてはいけないのだ。勿論芝居は作られた世界、嘘の世界である。
しかし、そこで行われている感情が、やりとりが、身体が 、嘘くさかったら、誰が面白いと思うだろう。嘘でも本物のような嘘。時に本物を超える嘘に出会えるから価値があるのかもしれない。

俳優が笑う時、嬉しい時の身体の状態を思い出したりする。あたかも新鮮に、初めて笑うかのように笑う。私達もそんな事は初めから上手く出来るわけなく…。何度も稽古を積み重ねて繰り返し練習する。自分のスイッチはどこにあるか探るのだ。

「女優さんなんだから簡単でしょ?」
「んー。そうですね。」
と言いたいところだけど…どうだろう。そんな地道な探求によってなりたっているんだよ、とは知る由も無いのかも。

演劇で誇れるところ。そんな些細な行為にこだわりを持ち探求出来る事なのかな。
いわば人間観察。

「女優さんなんだから簡単でしょ?」
という投げかけから俳優とは何なんだ? っと思いを馳せる日常の1コマでした。
心から笑いたい方、どうぞ演劇の扉を叩いてみてください 笑。

植田麻里絵

13/10/02

演劇的生活No.1

『今日』

9月15日、日曜日、9時起床。
台風接近中。
時々ものすごい大雨が降る。
早朝6時頃からなんとなく雨の音が耳に入ってくる。
目覚まし時計の設定は7時だったが全く起き上がれず。
雨戸を開ける。
雨の匂い。
朝食
セロリのはっぱ、卵入りラーメン
牛乳

10時15分、身支度をし、外出。
ガス、お風呂、窓閉め、パソコンオフ、扇風機のプラグ抜き、確認。

11時、稽古場にて《ルパム》自主稽古。
ストレッチをしながら雑談。
「高層マンションに住みたい」と浦さん。
「スペインで47階建ての高層ビルの20階より上にエレベータつけ忘れたらしいですよ、そこならきっと家賃安いですよ」と言ってみる。
美智子さんの笑いを取る。美智子さんは顔中口にして笑う。
石原は「スペインからじゃ稽古に来られない」と大真面目に言う。
※《ルパム》山の手メソッドの俳優のダンス。

15時、次回の稽古開始時間を確認して終了。
次回は明日の11時開始。あと、20時間後。

豪雨の切れ間を狙って稽古場を出る。
雨が止んで入道雲ができている。
光の加減で、高級住宅地の生垣の緑が異様に綺麗。
空腹。
駅前のマクドナルドに吸い込まれる。
チキンチーズ月見バーガーセット、アイスコーヒーで、680円。
思いのほかボリューム満点。
ポテトがしょっぱい。イモ感が消されていて残念。

16時25分、退店。
ファーストフードのお店を出るときに「ありがとうございました」と声をかけられるのが苦手。
見つからないようにこっそり出る。
東急東横線に乗って新宿三丁目で下車。
新宿末広亭を目指す。
デイリーマートに立ち寄り、眠気対策にコーヒーを1缶購入、140円。
17時5分末広亭到着。
入場料大人1人2800円
再入場不可。
結構混雑している。
上手側、前から10列目、通路から2席目に座る。
ビールとツマミ持参の中年男性に挟まれる。
2人ともパンフレットに何やらメモをしながら熱心に見ている。
よく笑う。
終盤に近づくと若い女性、カップルの数が増えてくる。
大入り。
日本の伝統芸能も捨てたもんじゃない。
トリは柳家喬太郎師匠。
演目は「任侠流山動物園」創作落語。
面白い。とても、面白い。
涙が出るほど笑い、劇場を出る。

21時30分、自宅の駅に到着。
ドラッグストアにて買い物。
トイレットペーパーシングルロール、189円。
歯ブラシ、158円。

21時40分帰宅。
空腹。
素麺、ネギ、茗荷、セロリのくき。
麦茶切れ、沸かす。
洗濯。
映画「ツリー・オブ・ライフ」鑑賞。
1日で見終わらず、今日で3日目。
よくわからないが、涙が出る。
私にはない感覚、宗教観。でも、涙が出たってことは、実はあるんだろうか。
入浴。
食器洗い。

深夜1時、仕事。
昨日の研修生稽古の映像を処理。
この稽古場日誌を書く。
ネットで今朝のスペインの話のウラをとる。
どうやら20階から上にエレベーターがないとニュースが流れたのは何かの伝達ミスらしい。
46階まではあるみいだ。
明日、訂正せねば。
仕事を終え、電気を消す。

呼吸法
いつも途中で寝てしまう。

長々、読んでくださってありがとう。

2時13分
安部みはる

13/10/01

演劇的生活No.1

ニュースタイルの「稽古場日誌」が始まります!

やっと秋めいてきました。
今年は猛暑が続きましたが、皆様いかがお過ごしですか? 劇団は次回の新作公演に向けて、着々と準備が進んでおります。

いつもは、公演の本番を迎えるまでを綴る「稽古場日誌」ですが、趣向を変えて「演劇的生活」について綴ってもらいました。
山の手事情社のメンバーが、普段何をして、何を考えて過ごしているのか。
公演中ではない時の、メンバーの素顔がちょこっと垣間見られるかも!

お気軽に覗いてみてください。

植田麻里絵

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