14/07/04

にごりえ

『よろこび』

やっぱり、舞台にあがれることはいくつもの条件が重なった幸運なことと考えたい、と思う。

日常と違う世界を創造し、そこでいきいきとする。そしてお客さんを楽しませる。こんな贅沢な生き方はない。もちろんそのために犠牲にするものは人それぞれある。好きなことやって、楽しい毎日、では全然ない。

なんで演劇にこだわるのだろう。舞台を続けたいのだろう。

舞台にあがっているその時にそれ以外では得られない自由なり、快感なり、生きている実感なり、とにかく何か特別な感覚をおぼえるからではないだろうか。

えらい普通のことを書いてしまっているが、その感覚を見失ったならもう本当に、続けていく意味はないはずだ。なのだが、どうにも… 苦しい。えらい苦しい。このままでそんな感覚に至れるのだろうか。

『にごりえ』 の主人公お力も謂わば役者なんだと思う。菊の井という舞台で毎晩大活躍している女優なのだ。彼女が犠牲にし捨ててきたものは現代の私たちなんかより切実で哀しく、時々逃げ出したりもする。しかしお力の人生は不幸だったのかというと… そうでもない気がする。

安田には毎日のように「お前たちには憂鬱が足りない! 」 と言われるが、否、真意はその先の喜びへの欲求が足りないということなのだろう。

本番まで残りわずか。何を積み重ねられるかだ。

何とか、何とかして、見つけたい、演劇の喜びを。

越谷真美

14/07/03

にごりえ

『節約ごはん』

本番まで2週間を切り、稽古もシーンが立ち上がってきたりと、いよいよという感じです。

この頃になると劇団員は、休憩中に食べるご飯をうまいこと節約するようになります。(ま、全員とは言わないですが)

「インスタントラーメンにもやしだけ」 とか、「サ〇ウのごはん的なものにレトルトカレーもしくは納豆」とか、「手作り弁当」 などなど。ちょっとみすぼらしい。

けど今回の『にごりえ』 に登場する“源七” 一家の夕食は冷奴とごはん。豆腐をおかずにご飯です。なんとも味気ない。まだ納豆ごはんのほうがましです。 (ま、僕個人の感想ですが)

週に一回くらいこういう食事なら耐えられるかもしれないですが、毎日豆腐にご飯だと多分僕は気が狂います。毎日納豆ごはんでも気が狂うでしょう。

そういう明治時代の貧乏人に近づくためには、一日くらい断食したほうがいいかな、と思う今日この頃です。 (ま、断食したら稽古でぶっ倒れる危険性があるので、多分しません)

『にごりえ』お楽しみに!

谷洋介

14/07/02

にごりえ

『自分を変えていく作業』

稽古がほぼ毎日進む中、同じように生活も続いているわけです。

稽古のためにどのように日々の生活に集中し、準備をし、それを稽古場で出すことができるのか。これは役者にはとても大切な能力だと思います。

時間はすべての人間に平等に与えられていますから、それを上手く使えるかは個々の俳優の能力が問われます。 もちろん時間がないので、同じ失敗を繰り返す暇なんてありません。それに同じパターンの芝居は見ていて退屈だし、本人も得るものなんてありません。

課題を明確に理解して、自分のやっていることに意識的になるのはとても重要だと思います。もし失敗したら、ちゃんと自己分析してから、しっかり反省して二度と同じ失敗をしないと誓います (笑)

どんな小さな出来事も自分を変えることのできる原石なので。


『最近パソコンが壊れました。中のデータもすべてとび、それによる精神ショックが稽古時間に支障をきたしています。』

これは明らかに失敗です。

バックアップをとっていなかったことが原因なのですが、今回の件で私はとても反省したので、もう同じ失敗はしないでしょう。自分ノートにもしっかり今回の件を書き込んで、今後、同じような精神ショックを受けないようにバックアップをとることにしました。

こんな端から見たらくだらない反省ですが、こんなようなことを今この瞬間も考え、毎分毎秒、分析と反省と行動を繰り返していきます。
コミュニケーションにおいても、自分の話し方、話しかけかた等を考えます。

時間を有効に利用するために少しでも無意識の時間を省くようにします。
雰囲気に流され、主導権を奪われるのは俳優として、嘆かわしく思うので、どんな状況でも自分の課題に集中してその瞬間を明確な稽古の時間に変えていきます。

こう書いてみると俳優っていう生き物は、何だか化け物みたいですね (笑)
人間って中々変わらない生き物ですが、それを苦しみながら変えていくんですから。
簡単に言ったら、不幸を自ら引き寄せている感じです (笑)


しかし、それを乗り越えたとき何とも言えない充足感で幸せいっぱいになるんですよね。
にごりえの稽古が始まって毎日不幸の連続ですが、これを乗り越えた先にある景色を想像して今日もボロ雑巾の様に生きてます!

高坂祥平

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