13/11/28

社会人WS

いそがしい社会人のためのワークショップ第六弾 リポート9

ついに最終日をむかえ、ミニ発表会を行いました!
土曜日にリハーサル、日曜日に本番です。

土曜日は思ったより時間に余裕がなく、リハーサルと段取りの確認であっという間に終了時間となりました。各チームの打ち合わせや個々の演技の練習で、殆どの方が終了時間後も居残る状態に。皆さん、自分の出演するシーンについて貪欲に考え改善しようと努力されていました。

本番当日も、朝からフル回転で準備。そんな時間のない中でも、ゲネプロ(本番と同じように行うリハーサル)を行いました。少々 だれてしまう長いシーンが短くなり、全体的に前日よりグッと良くなっています! しかしここではあえて、反省点を伝えるのみにとどめました。油断は大敵。あくまで本番が最高の出来になるように、心を鬼にして、「まだまだやれることはあります!」と煽りました。

お昼休憩もそこそこに、直ぐに本番です。当日は40名程のお客様がご来場。発表会の内容は《エチュード》《ショート・ストーリーズ》《ものまね》《ルパム》など、今まで作ってきた中から面白いものを組み合わせて、90分にまとめています。ボリュームのある内容でしたが、お客様からは「あっという間でした」と感想をいただく程。恐らく、参加者の皆さん一人一人が非常に集中し 、尚且つ他人(お客様)に「見せる」ことを意識したからだと思います。舞台上で何者かになろうとして空間に必死に飛び込み、感情や体からにじみ出ているニュアンスを味わう姿はとても美しいものです。今回、どの方にもその様子が見受けられました。これこそ、演劇の醍醐味です。

終了後はフィードバックをし、打上げ! 夜遅くまで、それぞれの演劇論をぶつけたり、発表会の反省をしたりし、熱く演劇について語り合いました。
改めて、もっと多くの方に演劇を楽しんでいただけるよう、このような機会を増やしていきたいと思う一日となりました。

今後も、「いそがしい社会人のための演劇ワークショップ」を開催していきます。
ご興味 ある方、一歩踏み出せないでいる方のご参加をお待ちしております。


三井穂高

13/11/27

演劇的生活No.1

『自家発電』

履歴書には書けない私のセールスポイント。
それは、ネガティブ。

ただ単にネガティブに暗く生活を続けているわけではないので「ネガティブが服を着て歩いている」という表現は間違っている。

土台がネガティブなので、その土台から私が派生しているわけだから「ネガティブな足が靴を履いている」もしくは、「ネガティブな心臓」と言った方が腑に落ちる。

私をスマートフォンに例えると、機種は「ネガティブケータイ NEGAXY」とでもなろうか。
そのスマホにはアプリが搭載されており、
「極度の寂しがり屋」
「やるきでないスイッチ」
「帰りたいッター」
「深SAKETIME」
「無料診断 諦めるべきか寝るべきか」
など、お世話になりたくないラインナップが並ぶ事となる。

補足すると、「帰りたいッター」は家にいても「帰りたい・・・」と呟かれており、
更に実家にいる時すら更新は止まらない。
どこに「帰りたい」のか分からなくなっている様だ。

ネガティブになる為のネタはどこにでも転がっていて、今日なんかは買ってきたラザニアをひっくり返してしまい「お前もか、ラザニア…!」と、カエサルさながらの絶望に浸って大泣きしてしまった。

くだらないエピソードは尽きない。
妄想の中で自分を卑下し、多摩川に入水しした事もある。
腰まで浸かったところで「こんな綺麗な風景では死ねない!」と逆にテンションが上がり、踊りながら家に帰ったエピソードは記憶に新しい。

皆さんがザワザワと引いていく音が、すでに聞こえる。
しかし、意外とそれは平気なのだ。
なぜなら、常に最悪のパターンを想定しているから。
まず、劇団の検閲の時点で「なんて事を書いてくれてるんだ!」と怒られる事は想像済。
そして仮に、この文章が皆様の目に触れた後、周囲の私を見る目が気の毒そうな眼差しになる事も想像内だ。

そう。私の一番のネガティブポイントは、常に最悪のパターンを用意している事。
そして性質が悪いのが、時として、それが自分の中では現実として扱ってしまう事。

例えば、恋人が出来たとする。私は相当早い段階で、別れを想定してしまう。
もちろん、別れたいわけではない。
でも、好きと不安は比例し「裏切られるに違いない」という悪魔を捻出する。
一向に楽にならないし、自分を苦しめるだけの存在だ。
お陰様で、安定した幸せの中に浸る時間は少なく、その一人相撲は死闘を要する。面倒な奴だとお思いでしょう。まったく、その通り。

しかし、不思議な事に、こんな戦う必要のない一人相撲により、常に激情や葛藤を抱えていられるのも、また事実。
その矛先は8割方演劇に向かい、案外自分を支える為の要素となる。
凹む力を馬力に変えて「なにくそ。生きる!」と演劇に向かってきた。
「ネガティブ由来の自家発電」。
この装置は、たまに故障してリコール商品ともなるが、なかなか良いバランスで稼動している。

まだまだ改良の余地はあり、今後のリコールを防いでいきたいとは、常々思っている。

辻川ちかよ

13/11/21

演劇的生活No.1

『Four & More』

うっかり出会ってしまったことで、その後の人生、時間の過ごし方が大きく変わってしまうことがある。自分にとってその最たるものが演劇なのだが、それはひとまず置いておいて音楽の話だ。

大人になったら味覚が変わると親に言われたことが思い出すが、音楽の好みも大人になったら変わるのだろうか。もうかなり大人なのだが、演歌には今のところそれほど執着心がない。
試しに自分のiTunesを見ると腐るほどある曲のうち、演歌のアルバムはたった1枚。
梅沢富美男の「夢芝居」だけである。
音楽ってやつはジャンルによって曲想がかなり違い、畢竟、興味がないものはジャンルごと無視することとなる。
演歌だけじゃなく、結構いろいろと無視してきたような気がする。
しかし、大人になって、はまったものがある。
ジャズってやつである。
自由が丘のTSUTAYAで視聴したたった1枚のアルバムが俺の人生を狂わせる。

マイルス・デイビスの「Four & More」。

吹きまくるマイルス、叩きまくるトニー・ウィリアムス。
元来のロック好きのつぼをぐいぐい押しまくる。
トニーのシンバルがビシッー、ビシッーと鳴るたび、自分の背中をピシャー、ピシャーと叩かれているようなマゾな気分が味わえる。
そして、マイルスがピーヒャラ吹くメロディの格好のよいことといったら無い。
ハービー・ハンコックのピアノもスパイスをかなり効かす。
高校のときぶち当たったMETALLICA以来の衝撃。
ベースがよく聞こえないのもMETALLICA風か。
ぜひ大音量で聞いて欲しい。

そこからマイルスだけじゃないジャズ遍歴が始まったのだが、マイルスの向こうには、本質的な新しさを持った何かがあった。

演劇もこうありたい。
演劇に触れると、今まで知らないこんな豊かな世界が広がっているのかと、そう思っていただけたら望外の幸せです。

斉木和洋

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