13/10/21

演劇的生活No.1

『±0』

今年の5月中旬から8月のお盆のころまで、僕はほぼ毎日プロテインを飲んでいました。というのは僕は体の線が細く、役者としてこれではイカンと思い、少しでも太くしようと思ったからです。

如何せん僕は太らない体質で、かなり前から悩んでいたのですが、劇団のとある先輩からプロテインを勧められ、やってみようと思いチャレンジしてみました。まず驚いたのはプロテインの値段の高さでした。1月分で4〜5000円という代物。でも商品の袋に書いてある“大きいカラダづくりに”という文字に惹かれ、これで太れるなら、とウェイトアップタイプのプロテインを買いました。

さらに水に溶かすとあまり美味しくないプロテイン。牛乳に溶かすと美味しい。僕は迷うことなく牛乳を選びました。牛乳は2日で1パック消費し、出費がかさみました。でもこれで太れるなら、と続けました。

2ヶ月後、体重を計ってみました。

±0

500gも太ってませんでした。愕然としましたが、家にはまだ20日分くらいのプロテインが残っていたので、全て無くなるまで飲み続けました。
そして、もしかしたらと淡い期待を持って体重を計ってみましたが、

±0

即ヤメました。
どうかしてるんじゃないか、僕の体は…。
次なる太る作戦を只今考え中。

谷洋介


13/10/20

社会人WS

いそがしい社会人のためのワークショップ第六弾 リポート5

この日のテーマは「悲しみ」です。引き続き《ショート・ストーリーズ》(寸劇)を中心に行いました。この寸劇は、短い時間の中でいかにリアルに演じられるかが勝負です。今日は参加されたメンバーの方全員が、その状態を味わって頂けたのではないでしょうか。皆さんの日常を垣間見たような社会人にしか出せない味のある作品が出来ました。

午前中行ったメニューに、いいヒントがあったようです。それは喫茶店で二人が店員にコーヒーを注文するというシーンを再現する、至ってシンプルなものです。登場するのは客2人と店員。台詞は「何飲む?」「コーヒー」「すみません」「コーヒー二つ」「かしこまりました」のみ。
まずは普通に演じ、その後〈恋人同士〉や〈友人が事故にあった後〉など設定を変えてみます。感情が違うだけで、座り方、間の取り方、目線などがガラリと変わるのが手に取るようにわかります。
メンバーを変え、今度は〈物凄い小声〉や〈わざとつま先立ちで〉など、声と体を加工してみます。講師側が何も設定していないのに、自ずと声と体に即した人間関係が生まれます。演技すると言うと、どうしても感情のことばかり考えがちですが、声や体もいかに重要な役割を果たすかを目の当たりにした時間でした。そして何気ないことでもそこできちんとやりとりしている人間がいれば、十分面白いということを。

休憩を挟み、いよいよ《ショートストーリーズ》の創作へ。三回めということもあり色々と欲も出てきたようです。限られた時間の中で、どうすれば面白くなるかギリギリまで打ち合わせしていました。「その場にいない人がいる」という設定と、皆さんから頂いたアイディアの中から、「雨・グルグル・山の手線」というキーワードを一つ選んで作ってもらいました。

さてさて、
○山の手線を何周もしているホームレス
○大切な契約を結べる日に待ち合わせ場所を間違えたサラリーマン
○友人がいつの間にか妊婦に

など、バラエティーに富んだ作品が出来上がりました。午前中の「喫茶店」エチュードの影響で、皆さんがしっかりその世界に存在しようとしているのがわかります。そのために、どれも非常に長い作品になりましたが…。丁寧に状況を把握し、思いっきり泣いたり怒ったりしていました。来月何処かのタイミングでそれを再現し、今度は同じように、又は今日以上にリアリティのある作品になるか、挑戦していただきます。

三井穂高

13/10/17

演劇的生活No.1

『ジョバンニの牛乳』

毎年、えずこシアターという住民劇団で演出作品を発表しているのだが、
今年は中高年のメンバーにも無理やりセーラー服や学ランを着せて、タイムスリップを試みた。
特にどこにも発表していない私の中の裏テーマは「ばばあの嘆き」。
私が若い頃には、携帯電話などなく、待ち合わせの時間と場所をしっかり決めても
なぜか会えなかったり、電話がかかってくるのを電話の前でじっと待ってたり。
長電話して日頃はあまり怒らない父にこっぴどく叱られたり。

不便だったけれど、今となっては何者にも代え難い甘酸っぱい思い出だ。
会えないとき、それは劇的だ。欲求があって障害があって葛藤 状況がある。
これは、もうスタニスラフスキー的にも、とっても演劇。
「じゃ、昼ころに渋谷あたりで」なんていう打ち合わせで会えちゃうこの世の中。
便利だけど、会いたい気持ちが確認できない。
なんでもできちゃうから、自分の欲求がはっきりしない。
携帯電話とパソコンがない世界に戻りたい!と言っても戻れるわけじゃない。
演劇が何かできればいいんですけど・・・。

倉品淳子

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