13/09/10

社会人WS

社会人ワークショップ第六弾 その6

「社会人ワークショップにおける30の質問」
社会人ワークショップの目的や特徴を、担当者が質問形式で答えています。数回に分けて連載しています。21問目から30問目は岩淵が答えています。社会人ワークショップ申し込みは一旦締め切りましたが、定員まで若干余裕があります。もしまだ、迷っている方いらっしゃいましたらご連絡ください!

26.本気で俳優になろうか迷っています。決断のヒントになるでしょうか。

ヒントになる、かもしれません。
プロの俳優になるためには、様々な訓練や知識が必要になるはずです。このワークショップでは、その内のごく一部を体験することはできると思いますが、あくまで一部です。山の手事情社ではプロの俳優を目指す方のための別なワークショッププログラムも用意していますし、そのための体験ワークショップもあります。一度お試しで参加されてみてはどうでしょうか?


27.演出家になりたいのですが、演出的な勉強にもなりますか。

俳優だけではなく、演出や脚本の勉強にもなりますよ。
《ショート・ストーリーズ》と呼ばれる寸劇を作るメニューは、その勉強になると思います。もちろん、今回のワークショップでも取り組みます。これは、参加者同士で寸劇を演じるのに必要な事柄をすべて話し合い、実際演じてみるというものです。この取り組みの中には、演出、脚本、俳優の三役をすべて参加者でおこなってもらうことになりますので、色々チャレンジできると思います。


28.自分は周りの人と違う気がしています。演劇で活かせるでしょうか。

どんなドラマでも、必ずと言っていいほど周囲とバランスが取れない人物が出てくるものです。そういう人物がいないとドラマとしては面白くない。ですから、演劇で活かせるに間違いありません。ワークショップで、他人と何が違うのか、観察し客観視して自分を見ていただきたいと思っています。楽しみながら「自分」を再発見してみてください。


29.文筆業をしているのですが、文章を書く上で刺激になるでしょうか。

ワークショップで扱うメニューの土台になっているのは、《山の手メソッド》です。これは山の手事情社の独自の俳優訓練方法で、徹底した自己観察を通じて、現代生活で鈍りがちな対話能力や身体感覚を呼び覚ますことを目的としています。自己観察は同時に他人の観察でもあります。きっと文筆業の方にも必要なことなのではないでしょうか。刺激になると思いますよ。


30.発表がとても心配です。

人前で何かおこなうことは、とても緊張することです。ですが、演劇の醍醐味は人前で演じることにあります。ぜひ、それを体験していただきたいと思っています。舞台(今回は発表会ですから、それほど大げさなものではありませんが)を観たお客さんが、共感し何かを考える。そのとき初めて演劇が完成します。あまり日常では体験しないことだと思います。心配や緊張はプロの俳優でもなかなか消えませんので、そういう意味で安心して取り組んでみてください。

13/09/06

社会人WS

社会人ワークショップ第六弾 その5

「社会人ワークショップにおける30の質問」
社会人ワークショップの目的や特徴を、担当者が質問形式で答えています。数回に分けて連載していますので、皆様どうぞご一読ください! 21問目から30問目は岩淵が答えています。本日申し込み締切日です。ふるってご参加下さい!


21.イライラしてしまうことが多いのですが、感情をコントロールできるようになりますか。

ワークショップでは、感情をコントロールすることを目指しません。僕は把握することが大切だと考えています。似ているようで、ちょっと違います。日常生活ではイライラすることを、できるだけ表に出さず抑える機会が多いですが、演劇は逆です。そういう感情は魅力的な要素になりますので、できるだけ表に出す取り組みをする中で、イライラを徐々に肯定し共存していくことを目指します。


22.いろんな人と知り合いになりたいのですが、そういう目的でもいいですか。

もちろん問題ありません。
ワークショップでは参加者同士で相談し、シーンを作っていただきます。初対面の方同士が、議論をすることはとても大変なことです。近年SNSが流行し、文字だけのやり取りが増えました。良いところももちろんありますが、生の人間が異なる意見を交わし、スムーズにいかないことこそ、魅力の一つだと考えます。ワークショップを通じて、普段とは違う「知り合いができる」機会になれば幸いです。


23.ダンス経験が全くないですが、ほかの皆さんにご迷惑になりませんか。

大丈夫ですよ。
山の手事情社では、《ルパム》と呼ばれる演劇的ダンスの手法があります。これを用いてダンスを創ります。すでに決まった振りを習うダンスとは違い、日常の動作を観察し振りを創っていただくところから始めますので、迷惑がかかるということはありません。日常の動作には感情が潜んでいます。それを徐々に見つけていく。どうぞ、「今の自分」というものに真正面に向かい合ってみてください。


24.担当講師の方はどんな方ですか。

小笠原くみこ、岩淵吉能、三井穂高の3名が講師です。3名とも劇団山の手事情社に所属しています。小笠原は1997年より演出部、岩淵も同じく1997年から俳優部、三井は2005年から俳優部に所属しています。3名とも、劇団独自の俳優訓練方法《山の手メソッド》を用いたワークショップや、教育機関での講師などを数多く勤めてきました。岩淵は「いそがしい社会人のためのワークショップ」の講師に初登場。2011年から続く宮城県仙南芸術センター(えずこホール)の事業で、延べ3700名を対象に様々な施設でのワークショップ経験があります。


25.山の手事情社の公演のようなことをするんでしょうか。(発表会に戯曲はつかいますか?)

劇団山の手事情社は1990年代後半から、《四畳半》と呼ばれる演技の様式化に取り組み、現代劇のみならず、落語、浄瑠璃、能、ギリシャ悲劇、シェイクスピアなど東西の古典作品を上演しています。ですが、今回のワークショップでは戯曲を扱いません。《四畳半》にも取り組みません。まずは自分自身から生まれる言葉を認識していただき、それを表現する事をしていきます。

13/08/31

社会人WS

社会人ワークショップ第六弾 その4

「社会人ワークショップにおける30の質問」
社会人ワークショップの目的や特徴を、担当者が質問形式で答えています。数回に分けて連載していますので、皆様どうぞご一読ください! 11問目から20問目は三井が答えています。

16.台本を使った演劇とどう違うんでしょうか。

ご自身の経験や日常生活の中で、感じたり考えていること等を拠り所にして物語を作っていきます。アイデア、セリフ、動き方など、何から何まで自分たちの経験の中からひっぱりだしてつくるので、リアリティーがあり、とても力強い説得力のあるものが出来上がります。あるいは、日常ではできないけれど、やってみたかった想像の妄想の出来事なんていうのもシーンにすることが可能です。どこまでも演劇にできてしまう、そこが魅力です。その分、何をシーンにするのかというセンスが難しいので、そこが鍛えどころです。


17.今いる会社に馴染めないのですが、解決のヒントになるでしょうか。 

馴染めるようになるか、ならないかの直接的なヒントにはならないと思いますが、今の自分を別角度で見ることが演劇にできることだと思います。例えば創作過程では、台本を使わず、ご自身の様々なことを元にシーンを作ります。そのためには、自分を客観的に捉え分析する必要があります。その経験は日常生活でなにか問題に当たったときに、ぜひ役立てていただきたい視点です。


18.映画やテレビの俳優になりたいのですが、役に立ちますか。

舞台も映画もテレビも、俳優として、今どこに立ち、話すべきか、瞬時に把握する必要があります。特に、舞台は生もの。立ち位置や仕草は演出家が指示してくれることもありますが、いざ本番がはじまったら、全て自分で決定し演技します。そのために、素早く状況を判断し力強い演技ができる力を備えていきましょう。様々なメニューを通して、そのための取り組みもしたいと思います。


19.歌手を目指しているのですが、表現力の勉強になるでしょうか。

人前に立ち、何かを表現する人にとって必要なのは観客に思いを伝えること。エネルギーが声、表情、体から発すれば、より多くの人に思いを伝えることができます。しかし、言うはやすしで、なかなか難しいことです。また自分では気づきにくいもの。このワークショップで、どう人の前に立ち何を見せるか、その感覚を掴んでいただきたいです。


20.セリフが上手に言えるようになりたいのですが、台本を使わなくてもセリフの練習になりますか。


このワークショップでは、セリフは参加者の方に考えていただきます。ご自分たちの中から出てきた言葉がセリフとなりますので、気持ちや状況などが既成の台本のセリフより、把握しやすいと思います。ただ最初は自然に出てきた言葉や反応が、何度か繰り返すうち分からなくなってしまうことがよくあります。そのときに、改めてなぜその言葉が出てきたのか考える。この工程は、既成の台本を読み解いたり、声に出しセリフを自然に発する練習と同じです。他人が書いたセリフを自分の言葉として発する前に、先ずはご自分の言葉にある感情を確認し、話してみよう。それが、このワークショップの狙いです。

三井穂高

Top «« .. 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 .. »» Last