06/08/25

YAMANOTE TRIP

「男女約30人夏物語」

毎日毎日バカみたいにシーンをつくってます。
一週間ほど前「もう何も出てこないよ…(ぢっと宙をみる)」状態に。
現在は半わらいです。

大久保美智子です。
山の手の稽古場に戻ってきました。
狭っ! 汗クサっ!
しかし私たちにとっては大事な稽古場。
愛情を込めて便器をみがく。
その直後、岩淵がトイレに…。
う○こか…? 非情な…。

さあ今日もシーンづくりだ!
アイデアはあるか?!
ないっ!
みんな半わらいだ。
いいぞいいぞ〜ここからだっ!
そういえば前回くみこが、
「うちのチーム、何もアイデアが出てこなかったから、みんなでお散歩しちゃいましたよ。」
ついにここまで来てしまった。
いつかお散歩にいったまま帰ってこないチームが出ないだろうか。

「見たことのないシーンをつくろう」とするわけですが、
みんなで持ちよる小道具は日常のものだし、俳優は見慣れた顔だし、ぜんぜん「見たことある」んです。
よって「すぐそばにあるのに、注目したことがない」
ものが主役になったりするのです。すると

「見慣れてるのに、見たことない」→「こんなの初めて☆」

そんなTRIPにみなさんをお連れしたい。
「YAMANOTE TRIP」期待しててください。

ある意味私たちは、この夏トリップしまくり。
いい夏です。

06/08/24

YAMANOTE TRIP

「投げる・投げる・投げる」

ども。山田宏平です。
本日は自主稽古での課題制作日。
といってもどの公演でも初期段階は自分たちで芝居をつくるので、自主でも他主(?)でも変わりありません。

さて、皆さんは「山の手事情社」ってどんな稽古をしているとご想像でしょうか。
過酷な身体訓練? 妥協なき所作の練習? 古典作品に宿る神との身を削った戦い?
それらのいわゆる「山の手っぽい」姿は僕らの半分ですね。
では残りの半分は何をしているのか? ちょっと稽古場を覗いてみましょう…

川村・浦たち野郎どもは美希を的に座布団をブーメラン風に投げています。当たると美希がお色気声をあげます。
何にでも上手下手はあって、野々下がひとりカナしいくらい下手で笑いものにされています。このテのことには長けている元野球部の浦が図にノッています。

こっちでは淳子・岩淵たちがトランプ投げに挑戦しております。
これがまたひどい…なかなか堺正章のようにはいきませんな。と思ったらチョンマゲ新人渡辺が見事に…やるじゃねえか。
こないだは稽古場の2階から空き缶を大量に投げてた連中もいました(稽古場内にですよ…念のため)。
画鋲ミサイルをはじきとばしたり、タイヤを投げたり、野菜をぶん投げたり、ときにはヒトをぶん投げたり…

そう、山の手の稽古の半分は「投げる」ことで成立しているのです!
初期段階はモノやヒトだけですが、芝居づくりが佳境に入ってくるとテキストを投げたり、芝居の構造自体を投げたりして、
新しい演劇の領域にアクセスをはかるのです。
あ、芝居づくりを投げてるわけではないですよ。

「山の手事情社ってどんな劇団?」ときかれたら、迷わずこう答えます。
「世界で一番、ありとあらゆるものを稽古場で投げてる劇団ですよ!」

また!

06/08/22

YAMANOTE TRIP

「本当の肉体」

本日は劇団の稽古はお休み。
ですが研修生担当の私は、研修生稽古のため稽古場へ。

研修生担当とは…→
山の手事情社では1年間の研修生制度を設けていまして、毎年劇団員が2名担当になり、研修生の稽古を見ていきます。
私は去年に引き続き、担当2年目!!
今年は美声の持ちぬし山田宏平氏とペアで、11名の研修生と共にたたかっています。

本日の研修生の稽古場では「ぎょええ〜」「もぎぃおえぇ〜」など奇声が響き渡っています。
とともに「その声はそんな体じゃない!」「喜びだろ! 喜びのもぎぃえ〜なんだよ」などのダメ出しをあびせる宏平さんと私。
 えっ。いったいどんな体だって?
確かにあるんですよ〜!! 見ていてグッとくる体が!
=声や感情と繋がっている体です!
繋がった時のエネルギーはすごい。
あ〜人間ってエネルギーをすごく持っているんだな〜と実感しますし、そんな肉体を出し惜しみしていることがもったいなく思います。
もっと全身でぶつかれ! でないと自分の本当の肉体には出会えないぞ。
自分が出会えてないのに、相手(他人)にも伝わるわけがない。
などと思いながら研修生にダメ出しをしていると、自分の求めていること見たいことに改めて気付きます。

私は本当の肉体が見たい!! と最近無性に思います。
肉体から沸き起こる本当の声や感情。
ある台詞(言葉)を話す(話さずにはいられない)本当の肉体。
本当に全身で相手に向かっている肉体。

そんな肉体に研修生には出会ってほしいし、私も出会いたい。

山の手事情社の《四畳半》では、自分と相手役とのあいだの向かいあうエネルギーを見せることが一つの重要なポイントです。
私は果たして本当に全身で相手と向かいあっているのか? やっているつもりになっているだけじゃないのか?
相手役と本当に繋がっているのか?
などなど…恥ずかしながら一番大事なことに今さらながら気が付いてきました。

「YAMANOTE TRIP」では、《四畳半》を通して本当の肉体のぶつかりあい=人間の魂のぶつかりあい、をご覧いただくことができるよう、日々探っていこうと思います。

山口笑美