07/05/23

山の手事情社稽古場

「憑けられてきたモノ」

空が高くなってきました。
日が長くなってきました。
あぁ眩しい。溶けてしまいます。
こんにちは。日光に弱い櫻井です。

今日も四畳半の検証。
涼しくなった夜にはきっちり結露ができる稽古場で、
身体と感情の繋がるところを探し続けます。

しかしまぁ

こうしなきゃ、あーしなきゃ。
もうこれがどうにも“憑いて”まわります。
えぇ、もうこれは憑き物でしょう。
あのねぇ、ここは義務教育の場ではなし。
お行儀よくなくてよし。
むしろ邪魔じゃよ。

えぇ、わかってるんです。
わかってるつもりなんです。
(・・・しかしツモリはツモリか・・・)

身体がお行儀よい。
アタマがお行儀よい。
感情がお行儀よい。
自覚して、途方に暮れること。

早う脱却したいと思いつつ、
焦ってどうにもなるものではないと思いつつ。
今は兎に角やるのみですよ。

櫻井千恵

07/05/20

山の手事情社稽古場

「風邪ネタ」

こんにちは。
風邪をひいています、亜紀です。
皆さま風邪は大丈夫ですか?

本日、稽古場は風邪ひきだらけでした。マスクマンがいます。声の涸れている人がいます。ティッシュの手放せない人がいます。欠席者もいます。
症状も、喉の痛みとか、鼻水鼻づまり、ズズズズ、と、割と似通っているようです。

本日の稽古メニューは、恒例、ものまね発表です。
発表の中にも、「黄色い鼻水」とか、
発表後のネタの説明でも「風邪で声が出なかったので、こういった方向で」
とか…。
それは・・・『風邪ネタ』!?
風邪をネタにしていなくても、風邪をひいてる人のは風邪ネタです。
すごくおもしろかったです、「風邪ネタ」。


私は、といいますと、熱気に満ちた稽古場の空気を、美し〜く冷やしてしまいました。
風邪をひいているからといって、面白いものができるわけではありません(あたりまえ)。しかも私の風邪は、見回した感じ、他の人より軽症のようでした。
まずは風邪を治し、行ったこともないところから出直して来ようと思います。

というわけで皆さま、風邪には充分にお気をつけ下さいませ。

追伸−健康な人のネタもおもしろかったです。

柿本亜紀

07/05/18

山の手事情社稽古場

「ハズしてこいよ!」

ども、山田宏平です。
稽古場が活性化しています。
メニューはシンプルです。旧作何本かのテキストを基に、やっては検証、やっては検証の繰り返しです。
一気に大ブレイクとはいきませんが、回を重ねるごとに密度の濃いやりとりが増えてきています。いい稽古です。楽しいです。

一方で不足に感じるところもあります。
僕が不足に感じるのは「仕掛け」「受取り」そして「ハズし」の意識の不足です。

いまの稽古は、本番制作時に比べたら俳優の自由度は格段に高いはずです。
相手に刺激を与えることやヒントを受け取って反応していくことへの試行錯誤、つまりライブなやりとりへの試みがもっとあっていいのに、個人の修練(どうやるか)にウエイトを置いているのか、個々はいい感じでやっていても連鎖がなく、演劇的瞬間(何が起こるか)が置き去りにされることが多いなあと感じたりするのです。
相手やテキストへのアプローチが変わらないから、何テイクやっても技術はともかく劇空間が変わらない。なんていうか「うまくなりたいけど、ハズして格好悪い思いはしたくない」と思っているかのように見えてしまいます。
でも稽古場ですから、もっと「何でもあり」でいいと思うんです。

懐古趣味は嫌なのですが、90年代前半から中期の山の手は「ハズす」ことだけに夢中になっていました。即興稽古のワンテイクに必要以上に神経を研ぎ澄ませ、無数の失敗に傷付きつつ、新鮮にハズす実験を繰り返していかに「演劇」や「劇空間・劇時間」をモノにしていくかを追求していました。
いまやっていることに、ちょっとでもその空気が足されたらどんなにいいだろうと思います。
まだそうでない部分がこの稽古場にあるのだとしたら、多分ある種の行儀のよさ(と要領のよさ)が邪魔しているのです。
プライドと言い換えてもいいのかもしれません。

ある劇団員が言いました。「なぜだか、ちゃんとした失敗をしないといけないという気になってしまう」。
安田さんもよく同じ言葉を使って言います。「失敗してもいいから」。
この二つの「失敗」という言葉の意味するところはちょっと別のところにあるのではないかと思います。
その誤差を埋めていくことが、この期間の稽古で、そして劇団を継続する上で大事なことのひとつなんじゃないかと思います。

最近10年くらいに加わった彼らに僕ら旧い世代が伝えられることが、この、その場その場で懸命に「ハズし」ながら本質に切り込んでいく感じじゃないかなどと、最近ふと思います。

もっとハズしていこうぜ。「自分の枠」とか「決めつけ」とか「効率のよさ」とかをさ。

山田宏平

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