07/07/20

YAMANOTE NIPPON

道成寺の衣裳

今日は傾城反魂香の自主稽古です。
オリジナルメンバーに加え、新キャストで初稽古。
7年前のオリジナルメンバーなので、当然忘れて
いるだろうと思いきや、立ち稽古ばんばんやって
おります。すごいなー、みんな。

誰がどんな稽古をやっているかわからないので、
別の事を書きます。

山の手事情社は南青山に倉庫を持っています。
私の親戚のうちに崩れそうな平屋があって、
そこを借りております。
稽古前に道成寺の衣裳を取りに行きました。
一人で。スクーターに乗って。
えっちらほっちら運んで稽古場に着いた頃には、
私の手足は見事に日焼けしておりました。
シミになっちゃうなあ。

道成寺の衣裳はとても豪華で素敵な衣裳です。
実は、この衣裳を作って下さった渡邉昌子さんが、
先日イギリスでお亡くなりになりました。
利賀村で徹夜して、直前まで細部にこだわって、
女子のうわさ話に花を咲かせる渡邉さんに
衣裳を作って頂けない日が来るなんて、誰もが
想像していませんでした。
とてもとても、悲しい出来事でした。

もう1度、この衣裳に魂を吹き込むべく、
素敵な舞台を作り上げます。
まーぴょん(女子から呼ばれていた愛称)、
観に来てね。
そして、皆さんもぜひ、赤坂にお越し下さい。
豪華な衣裳と魅力のある舞台でお待ちしており
ます。
って、あと3ヶ月ありますけれど☆

水寄真弓

07/07/20

YAMANOTE NIPPON

稽古身訓

身体訓練。
山の手では、略して「身訓」と呼んでいます。
他の団体なんかに行くと、「肉練」なんていう呼び方を聞いたこともありますが、まあ、簡単にいうと、稽古の前のウォームアップですね。

「しんくん」なんか厳しそうですね。「にくれん」なんかおいしそうですね。

それにしても、あっついですねえ!そして、また、湿度が高い!
汗、出る出る!

今日はあるシーンの稽古中に珍しいものを見ました。
その人はほとんど動いていなかったのに、あごの下がまるで3人くらい入ったお風呂場の天井のように水が滴ってました。
すごいね、岩淵くん!

人によって汗かく場所って違いますよね。背中だったりお尻だったり、
あれどうしてでしょう?
ちなみに私は、頭部分に汗が出ます。
女優さんは顔に汗をかくもんじゃないそうですが、顔、びちょびちょです。

そういえば以前、公演を見に来ていただいた、ある狂言の師匠から、
「淳子さんは汗をかきすぎです。本番前は水分量を制限したほうがいいでしょう」
と言われたことを思いだしました。

今日は、自主練習です。
だから、もうずっと動きっぱなしに近いです。
みなさん水分出しまくりです。

昨日までの安田さんのいる稽古場では、新しい試みでいっぱいで、脳の新しい部分を開拓しているようでた。
今日はどちらかというと身体の水遣りというところでしょうか。

これはこれで私は好きです。

倉品淳子

07/07/20

YAMANOTE NIPPON

かたづかない。

片付けられない女・大久保美智子です。部屋の汚い人は頭の中も乱れてるらしいです。

今回は「男と女」「愛と憎しみ」系のエチュードが多く…なんというか、こっぱずかしい思いをしております。

「はい、そこで男、押し倒して女を犯す。女うれしそう!」とか。
「そうそう、女子、股を広げて排便。それを川村が掃除する!」とか。
挙句「なつかしい人にやっと会えた気分で、抱擁!」
てな具合です。は、恥ずかしい…。

しかし慣れとは恐いもので、だんだん「犯されるんですね。は〜い☆」「もっとハードにやった方がいいっすかね?」という風になってきます。というか、そうなっている劇団員を感じます。

かのマリリン・モンローさんは幼い頃、教会で聖歌を歌う間、素っ裸になってしまいたい欲求にかられ、必死で着ている服を押さえていたそうですが、ちょっとだけ分かるような。
コンパで必ず全裸になる男の子の気持ちが分かるような。分からないような。

隠しているのを覗き見るとか、秘密が暴かれるとか、暴く方はもちろん、暴かれた方もなぜだか爽快感がありますよね?
「あっつ…バレちゃった!?あははは〜!」
それで取り返しがつかなくなったり。でも、その瞬間の爽快感には抗いがたい気がします。
そういや昔、アルバイトで絵のモデルをしていたころ、裸になるの恐怖&爽快だったな。

絵のモデルも、芝居の稽古も、一応、命の危険はないという前提があるわけですが。
戯曲のなかの人々は文字通り「命懸け」なので、行動がムチャクチャです。
そのムチャクチャは命が懸かっていて初めてリアルなのであって。
平和ボケした私は途方にくれるわけです。
「命」を「懸ける」ってどういうんだろ?

私の部屋のムチャクチャは整頓します。頭も整理したいです。はい。

大久保美智子