10/05/12

オイディプス王

ヒントはどこにでもある

どうも、三井穂高です。
先日、大量にサンドイッチを作る機会があった。
八枚切りのパンの間に、レタス、厚切りトマト、ベーコン、チーズ、クレソンなどを挟み、四分割にカットし、ピックをさして並べるという代物。

この、四等分に切る作業がえらく難しい。中身にボリュームがある上に、トマトが滑るので、どうしてもパンと中身がずれてしまう。
それを阻止しようと上から押さえつけると、パンに指の後がついてしまう。
手先は器用な方なのに、何回切っても格好悪い。
これは手ごわいぞと思っていたら、隣の友人がとても鮮やかにカットしているではないか。
どの具もつぶされず、断面が綺麗な層になっている。この違いは一体何だ?!

「お腹にふっと力入れると、ずれないよ」

えええええっ。なんと、そんなこと?!
お芝居とは全く無縁な彼女が、ちゃんと丹田を意識していることに、
更にこの自分が、丹田を意識出来てなかったことに、ダブルショックをうける。
気のせいかもしれないからマジに受けとらないでね、と気恥ずかしそうに笑う彼女の横で丹田を意識して切ってみたら、悔しいことに見事な層になった。


演技する上で、丹田を意識することは必須条件。特に今回のギリシャ悲劇のように、スケールの大きい世界を描こうとする場合、下半身に重みがないと説得力がなくなってしまう。
その感覚が、まさかこんなとこで体感できるとはね。感謝です、M子ちゃん。

三井穂高

10/05/10

オイディプス王

そこにある悪夢

「オイディプス王」のコンセプトに悪夢というキーワードがあります。

近頃私の悪夢といえば、受け身稽古をしている斉木先輩です。
基礎訓練として全員で受け身やマット運動をしていますが、斉木さんが受け身で床に身体を打ち付けるときの音とそれに伴う振動が尋常じゃありません。

ブタ殺しの威名を誇る先輩の荒技に喜んでいる劇団員たちの反応が信じられない。
調子にのってどんどん激しくなっていくではないか。

床が抜ける…
壁が崩壊する…

隅で人知れず強ばっていく私の身体。

あれは受け身じゃない、肉弾攻撃だ、
思っているのは私だけなのでしょうか。

稽古場は戦場です。

越谷真美

10/05/09

オイディプス王

行きつ戻りつ

この日の昼稽古は役者のみの自主稽古。
軽く準備運動をした後、ルパムシーン(動きで見せるシーン)の確認と、決められるシーンの仮構成を行いました。

山の手のオイディプス公演をご覧になった方はご存知かと思いますが、ルパムシーンも作品の見所の一つ。
私は映像でしか観た事ありませんが、男性陣のキレの良さや、女性陣の艶かしさにドキッとしました。
しかし映像だと画面が暗く正直見えずらい。ようやく動きの全貌が明らかになりました。

これがまぁ〜想像以上に細かい。
一見、起き上がるという単純な動作一つ取ってみても複雑な身体操作が…
案の上、一度観ただけでは真似できませんでした。 上手くいかない若手に対し先輩方が
「最初に首から吊られろ…」
「まず足さばきを処理して…」
「螺旋を利用すれば簡単に…」
飛びかうアドバイスの嵐と、同時に
「初演の時〇〇はこうしていたかも…」
「え、私は〇〇だった…」
記憶の網を手繰りよせる作業も同時進行。一瞬、ここは魚市場か、年末の上野かと思われる活気…再演は再演で行きつ戻りつの作業が大事なのだと感じました。

浦浜亜由子

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