08/08/19

YAMANOTE ROMEO and JULIET

仁義なき闘い・代々○ゼミナール編

それは某有名予備校に通わなければならなくなった18歳の春。
なんとなく近くにいた何人かとなんとなくいつも一緒にいた。
その仲間たちとトイレで髪などをとかしていると、
なんと、これまたなんとなくできたと思われる女子集団に睨まれたのである。

なんで…???

それまで特に面識もなく、
嫌がらせをしたりされたりしたわけでもなく、
特に目立っているわけでもないのに!

しかし、やつらは明らかに私たちに敵意を持っている。
トイレで大声で私たちの噂話をしたり、
いつも私たちが座る席をわざと占拠したり。
温和な私たちもさすがにこのままでは何のために浪人してるのかわからなくなるという危機感から、やつらを「サル軍団」と名づけ、威嚇行動に出た。

リーダー格の女子が小顔でショートカットだったので「サル」とした。
今考えると安室ちゃん似のかわいコちゃんだったような気さえするが、「サルめ!」という響きがよかったのだろう。
やつらのファッション、行動、模試の結果、なんでも良かった、なんでもネタにして、けなす! わざと大声で! しょぼい攻撃だ。いつの間にか私たちはかなり団結していた。
サル軍団も、距離をおいて私たちを見据え、威嚇している。

最初に、席が隣だったりしたら、もしかしたら友達だったかも知れないコたちと、
何の恨みもないのに、一年間、抗争したのである。

すげーばかばかしい。が、正直、楽しかったのだ。

抗争に関わったほぼ全員が、第一志望に落ちたのは言うまでもない。

ロミ&ジュリといえば、モンタギュー家とキャピュレット家の争いですが、
こんな感じだったのかも、と思う今日この頃。
オリンピック観ていても思うけど、人は闘うのが大好きなのですね。

大久保 美智子

08/08/17

YAMANOTE ROMEO and JULIET

勘ちがいパワー

「ロミオとジュリエット効果」という言葉があるそうです。
障害が存在することで恋愛感情が高まることを指すそうです。
これは大抵の場合、
・障害を乗り越える為に使うエネルギー
・相手のことを思いやる愛の深さ
を同じものだと勘ちがいして生じる現象だそうです。

言うなれば
「勘ちがいパワー」
でしょう。

ロミジュリの場合、
この「勘ちがいパワー」がケタ外れで、
その為、当人たちも周囲も勘ちがいに気付く間もなく、おっそろしい速さで 物語が展開するわけです。
「勘ちがいパワー」がケタ外れだと、
どうやら巻き込まれる人々のパワーもレベルアップするようで、周囲の発する怒りやら嘆きやらのパワーもケタ外れになっています。

ですからこのお話。
恋愛が前面に出ている割に、
少なからぬ死人を出しつつ、
結構なエネルギーがぶつかり合う異種格闘技戦のようでもあります。
最終的には街が良い方向に向かっていくのですが、
割と迷惑なふたりです。冷めた目で見れば。

「ロミオとジュリエット効果」について考えていたら、
はたと、演劇の 創作過程に当てはまるのではなかろうかと思いました。

演劇創作、障害たっくさん。
表現は自由だけれど、自由を実現する現実は不自由。
未だ見ぬ舞台に恋をして、自分の屍を乗り越えつつ、役者は格闘しています。

はっっっ!
だとすると、だとすると、
役者を動かしているのって、

「勘ちがいパワー」!?

・・・・・・

いやいやいやいや。
そんなことはない。
そんなことはない・・・
それこそ勘ちがいだろ・・・
と頭を振り振り稽古場を見渡す。

んでも。

いっそ勘ちがいでも
見たこと無いエネルギー出せるならいいかもしれない。
“勘ちがいの応酬こそロミジュリの魅力”
と密かに思ってみるのでした。

櫻井千恵

08/08/15

YAMANOTE ROMEO and JULIET

ロミジュリ=スイカ

スイカ…今年始めて食べました。
とあるシーン稽古で使用したものです。
悲しいかなプライベートでスイカはなかなか買う機会がありません。
にしても本当にスイカ食べるの久しぶりのような気がします。
この猛暑の中食べるスイカは最高です。

うますぎます。

スイカと言えばスイカ割り。
こども会で集まれば必ず行われる一大イベントです。
夏の代名詞です。チューブ並、いやそれ以上。
食べ物を粗末にして! なんてことは一切いわれません。
当然そのあときちんと食べますけれど。
不思議。

世間も味方なすいか割り。
古来、すいか割は居合術の修行で行われていたとか。
てことは、山本さんみたいな人がぱっかぱっかすいか割っていたわけか。

あのみずみずしさ、赤と緑と黒のコントラスト、奇妙な色彩なのに人気者。
男女かまわず棒でぼっこぼっこのたこなぐりにされる。でもみんな楽しそう、
そしてぱっかり割れたときの爽快感。
禍々しい緑の中から、真っ赤な果肉とつぶつぶの種。
自分たちでぐちゃぐちゃにしておきながら食べちゃう。
罪悪感は後回し。
で…う、うまい。やばいぐらいに。

ロミジュリもそんな作品かもなと。
バルコニーでスイカ割り、
ロミオがジュリエットに目隠ししてぐるぐる回して、
いちゃいちゃいちゃ、
目隠しロミオがティボルトの頭をスイカよろしくまっぷたつ!
二人でスイカの早食いして最初で最後の夜、
とかさ。

ロミジュリ=スイカ

ありじゃないすか。なーんか。
フライヤーもまん丸だし…。
いっそ開場時に観客とスイカ割りってのは…。
だめですよね。

などと勝手に妄想しながら稽古は続いております。
お察しの通り、暑過ぎて脳みそがオーバーヒートしています。

ちなみにスイカの種、いちいち出す派とかまわず食べる派に分かれますが、
僕は、はじめは出すけど途中で面倒になって飲み込む派です。

岩淵 吉能