08/09/28
『主役はあなた』
「YAMANOTE ROMEO and JULIET」
の稽古中だからか、
街中のカップルが妙に目に付く今日この頃です。
自分の恋愛欲求を刺激されているのか、ただ単に
忙しくて、幸せそうなカップルがムカつくのか…。
そもそも、全く似合っていないカップル
いますよね!(私見ですいません)
何でその人がいいの?
その人のどこがいいの?
なんでなんで?
説明なんてつかないんです。
そうなっちゃうんです。
ロミオだって、もともとロザラインに恋してたのに
ジュリエットに会ったとたん、どーんと恋の穴に
落ちていっちゃったんですし。
ジュリエットだって、パリスのほうが絶対いいと
思うのになぁ。
でも、説明のつかない部分、目に見えない部分に
お客様の頭の中とリンクできる隙間が
あるような気がします。
シェイクスピアの戯曲は、何から何まで全部
言葉にして説明してくれている。
今、私たちが稽古でやっているのは、その説明を
少しずつ言葉じゃないものに換えていっている
作業なのかも。
最近読んだ本の中に、こんな文章を見つけました。
「…作者が説明という引き算を重ねていって、
後に何も残らないような舞台なら、あるいは
早々に、もう引き算すら出来なくなるような
舞台なら、そこに当てる照明は光熱費の
無駄遣いだろう。」
(北村薫 「六の宮の姫君」より)
うーん、なるほど。
今回の公演は、お客様に自らブースを巡って見て
いただく体験型の企画もあることですし、
恋する気持ちも、悲しみも、遠いヨーロッパを
ブラウン管を通してみるのではなく、
今そこで起こっていることを、リラックスして
体験していただければいいなと思います。
このときだけは日常を忘れて、どーんと
「YAMANOTE ROMEO and JULIET」
にはまってみて下さい。
安部みはる