08/09/25

YAMANOTE ROMEO and JULIET

イライラ

僕は最近とてもイライラして仕方ありません。
なんといっても今年の夏、暑くて死にそうでした。
と思えば突然の雨、ゲリラ豪雨の日々、
それから「地元に帰って就職しろ」という
親からの電話、誘われたらお金がないのに
つい飲みに行ってしまう自分、
絶対自分が正しいのに反論しない自分、
数えればきりがありません。
皆さんもイライラして噴火しそうな時って
ないですか?

今、ロミオとジュリエットの稽古をしているの
ですが休憩中にふと、もしかしたらヴェローナの
街もこういった雰囲気に包まれていて、
分かりやすい矛先がキャピレットやモンタギュー
だったのではないかと思いました。
この戯曲の世界と今の時代背景が似ているなと
感じました。
戯曲の中でロミオはそんなのおかまいなしで
思うがままに行動し、ジュリエットと恋に落ちる姿
が羨ましく、憧れのヒーローのように
僕の目に写りました。

今の時代、ロミオとジュリエットのような恋は
幼稚だったり大人げないととらわれ、
社会から浮く存在になると思うけど

『いいじゃん、人生一度きりだし!
社会なんて糞くらえだ!』

という姿は、すこし、羨ましいです。

下野雅史


08/09/24

YAMANOTE ROMEO and JULIET

「コドモが最強」

突然ですが。
ロミジュリの大元ネタは「お説教」だったんです。

『親の言うこと聞かない子は
こんなに不幸なことになりますよ!』

というお説教。
愛とか恋とか置いといて。

『こんなに不幸になっちゃうのか!』

と、コドモタチはこのお話を聞きながら
どきどきしていたのでしょうか・・・?
オトナタチはしめしめ、
とコドモタチをうまくコントロールできたと
ほくそ笑んでいた・・・のでしょうか?

ところがどっこい。
シェイクスピアのお陰で、この物語は
愛とか恋とかのエネルギーって凄いのよ、
というところに注目されちゃいます。

主人公たちがコドモなのがまた憎い。
コドモタチのエネルギーは、
大人にコントロールできるものじゃないんです。
何者よりも「自分に素直である」力の強い
コドモタチのエネルギーは強いのです。
ロミオもジュリエットも
自分にバカ正直なコドモタチです。
それが恋の力も手入れた!!
とんでもないのは当然!! 暴走は当然!!
年齢的には単にコドモと侮れないところですが、
それは置いといて。
だから、周りのパパママたちも、
良かれと思って画策するロレンスさんも、
ロミ・ジュリを前にして無力なのだ。
ざまーみろ。

過保護な大人の増える世の中に、
コドモタチはそもそも大人の手の中にゃ収まらん、
てなことも訴えてくれてるんじゃないの??

なんて、ちょっと恋愛と違う視点で観るもの一興。
そんなことを考えつつ、
とあるシーンを鮮やかにすべく唸っております。
うーん、うーん。

櫻井千恵

08/09/23

YAMANOTE ROMEO and JULIET

漬かっているからこそ

どうも、安田です。
演劇だらけの毎日、演劇三昧の毎年。
演劇を始めた大学生のころ、
そりゃ、演劇を続けたいとは
考えていましたが、
ここまで漬かるとは。
というより、演劇に漬かるということが、
どういうことなのか、
当時はわかっていなかったと思います。

ロミオもジュリエットもそうでしょう。
互いに出会うまでは、
恋愛に漬かるということが、
相手の面影に追われるということが、
どういうことなのか
想像だにしていなかったことでしょう。
今回の芝居では、
その「漬かっている」感覚を、
漬かっている側から描きたいと思っています。
小説にも映画にもできない、
演劇にしかできないやり方があるはずです。

そろそろ本番も近づいてきたことですし、
内容をちょこっとご紹介しておきましょう。
一本の原作で三本立てってどういうことなのか。

今回は、今までの山の手事情社の三本立てように、
一日一本ずつ上演するのではなく、
一回の公演で三本を連続して
ご覧いただけるようにしました。
大体2時間くらいかけて、
三本見られるように考えています。

どんな三本かというと、
★ 物語(あらすじ)を詳しく説明する一本目。
題名は知っていても、細かい内容は知らなかった
お客様にも、原作の複雑で深い世界を
お伝えします。

★ 原作から着想し、発想を広げ、
原作にないシーンを見せる二本目。
お客様には歩きながら、
さまざまなシーンのブースを巡っていただきます。

★ 原作を「詩的」なイメージでつづる三本目。
原作のセリフを生かしつつ、
「恋愛」の誕生から消滅までをテーマに、
原作とはちがった流れで再構成します。
ヨーロッパで流行っているポスト・ドラマ形式の
演劇です。

会場となる「にしすがも創造舎」は
かつて中学校の体育館だった場所です。
その広い会場に複数の舞台をしつらえ、
一本ごとにお客様に移動しながら
ご覧いただきます。
衣裳も舞台美術も違う三本になります。

おそらくこれだけの規模で
『ロミオとジュリエット』の公演をすることは、
日本では稀だと思われますし、
山の手事情社としても今後ないのではないかと
思います。
昨年視察したルーマニアの
シビウ演劇祭というところで見たお芝居が、
ヒントの一つになっています。
演劇や、シェイクスピアや、
「ロミオとジュリエット」にご興味のある方には
是非足を運んでいただきたいと思っています。

人それぞれ、さまざまなものに漬かって、
日々を過ごしているはずです。
家庭や仕事、趣味の場合もあるでしょう。
そしてそれに飽きてしまったり、疲れたり、
時には疑問に思うこともあると思います。

そういう時こそ演劇です。
何かに夢中、何かに追われていることは、
巻き込まれているとなかなかわからないこと
ですが、はたから見ればとても美しいもの。
輝いて見えるものです。

お客様がご自分を改めて愛せる
ようになる公演にしたいと思います。

安田雅弘

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