09/03/26
研修プログラムを終えて/渡辺六三志
「堂々と存在する」、そうなろうとした1年だったと思う。
何をするにも所在なさげで、他人との交流を拒む自身の体質を、どうにか変化させたいと思いながらもがいた日々だった。
居心地がいいと感じたことなど一度もない。
常に劣等感にさいなまれ、自分より上の実力を持つ他の研修生たちに嫉妬の念ばかり抱き、彼ら彼女らのまねばかりしてきた。
「周りの奴ら、みんなすごいんだぜ」、それだけがここにいる誇りだった。
修了公演を終え、ようやく「素直な自分の気持ち」のようなものをつかめた気がする。
だが自分探しが目的ではない。
あんないい作品を創るには、この1年間の稽古が必要不可欠だったということ、それが本番で実感できたことがこの1年の何よりの収穫なのだから。
渡辺六三志
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