09/05/28

タイタス/ルーマニア

ふんじばれ

今年度から劇団員になりました、文秉泰です。
どうぞ宜しくお願い致します。

さて、今回は『タイタス・アンドロニカス』です。
シェイクスピア作品の中でも最も残虐で暴力性の高い物ではないかと思います。
…と、知ったかぶりをしてますが、数年前まで「タイタス&ロニカス」と本気で思ってました。
すいません。

シェイクスピアだし、「ほほぅ、今度はタイタスとロニカスの話か。またお得意の報われない恋かい?」ぐらいに思ってました。

しかし、戯曲読んでビックリ、観てビックリ。
本当に、残虐過ぎて。 気持ち良いぐらい残虐過ぎて。

いや、実際顔をしかめる場面も多々あるのですが、何か「人」を感じる事ができるんですよね。 上手く言えませんが、「生(ナマ)の人」を。
観てる人の心のどこかに必ず引っ掛かる作品なのです。

この『タイタス・アンドロニカス』を引っ提げて、山の手事情社はルーマニア・ツアーに出発します。
これを観てヨーロッパの人がどう感じるのか。
それを考えると、ツアーには参加しない僕が緊張と不安と興奮を覚えます。

体は現地の人の方が大きいかもしれません。
でも山の手事情社の真骨頂、役者の身体表現では負けないはずです!

是非ともルーマニアでぶちかまして来てもらいたいものです。

ふんじばれ! ルーマニア人の心を!


文 秉泰

09/05/25

タイタス/ルーマニア

汗。

このたび制作部に入りました、氏家綾乃です。
うじけ、と読みます。
よろしくお願いいたします。


事務所の横に第1スタジオがあります。
事務所の上に第2スタジオがあります。

隣が静かだなぁと思ったら、上から工事現場のような
音が聞こえてきたり。
上が静かになったと思ったら、隣から役者さんのうめき声やら喘ぎ声やらが聞こえてきたり。
いつもにぎやかな稽古場です。

毎日稽古場で顔を合わせて、毎日のように思うのです。
みんな痩せたなぁ。
痩せた…なぁ。
や…つれた…なぁ。
いや、みんな健康なんです。
ただ運動量がハンパないだけで。
通し稽古のあとは汗の水溜まりができるくらい
ですから。
人間、こんなに汗かくことができるんだぁっと
新しい発見。

もうすぐ出発です。
ルーマニアに、日本の汗を届けにいってまいります。


氏家綾乃

09/05/22

タイタス/ルーマニア

二年後のシビウ

ども、安田です。

ルーマニアで初演する、
改訂版『タイタス・アンドロニカス』。
その最初の公演地がシビウです。
私がその場所を初めて訪れたのは、2年前のこと
でした。演劇評論家の七字英輔さんが「面白いよ、
行かない」と、誘ってくださったのです。
半信半疑で向かったシビウでしたが、そこの演劇祭に触れて、あまりの面白さにびっくりしました。
そんなに多くはありませんが、私もいくつかの海外
フェスティバルは訪れたことがあります。
規模の上では、イギリスのエディンバラ演劇祭や
フランスのアヴィニョン演劇祭などには遠く及ばないものの、レベルの高さではそれらをはるかにしのぐ内容
だったことに正直驚きました。
そこにはまぎれもなく「演劇でしかできないもの」に
あふれていたのです。

通常のフェスティバルでは、「これは!」と感じるお芝居が10本のうち、1、2本あれば、当たりです。
わざわざ来たかいがあったと考えるべきなのです。
ところがシビウでは、8本は面白いという当たり方で、
あまりの刺激に、レポートを書いてしまったほどです。
(ご興味のある方は、岩波書店の『思想』という雑誌の2007年第10号をご覧ください)

いつか参加してみたいと思い、コンタクトを取っていたのですが、まさか、わずか2年でこのフェスティバルに招待してもらえるとは思いませんでした。昨年は中村勘三郎一座が招待されています。
しかも、メイン会場であるラドゥ・スタンカ劇場での公演が決まったのです。とてもうれしいと同時に、ひしひしとその重みを感じています。
そんな緊張感の中で稽古が進んでいます。もう10年
以上付き合っている作品なのですが、毎日うそのようにさまざまな発見があり、それに伴って芝居は変化して
います。

近いうちにぜひ日本のお客さまにもご覧いただきたいと思っています。


安田雅弘

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