10/02/22

春琴しよう

サファリパーク

こんにちは。最近は、寝ても醒めても『春琴しよう』が
頭から抜けない坂野です。
山の手事情社の修了公演の一つの目玉として
≪ものまね≫というものがあります。
身近にいる印象的な人を形態模写するもの。
1年間で4回程劇団員の皆さんの前での発表があり、
その中でも選りすぐりのもののみが
本番に採用されるため、研修生同士が凌ぎを削って
稽古に励んでいるものです。

今日は、そんな≪ものまね≫の抜き稽古でした。
稽古待ちの研修生は、それぞれ、
狂ったように自主稽古。

髪を掻き毟りまくる石原。
鼻の下が異様に長くなっている坂野。
ひどい口の形となっている美穂。
呪文をとなえる中村。
もがきながら転げまわるあいか。
ロボットのような動きの桃香。
指をつきあげて叫ぶ明香。
そして、我関せずおぅおぅと頷く高橋。

奇人・変人の集まりが奇声を発する、
サファリパーク状態となります。

ただ、この≪ものまね≫稽古。
とてもエネルギーが必要。3回繰り返すと、白いものが見えることもしばしば。
5回連続で行うと星が目の前に見えてきます。
また、一人でやるゆえ、常に新鮮な要素を入れないと
感情が落ちてしまいます。
そんなこともあり、≪ものまね≫のままで会話し始める研修生達。

「あすかのモノマネは最高にいいよ。もう最高だよ」
(気持ちがない)
「石原は流石だね、モノマネだけは敵わないよ」
(そんなでもない)
「今日の中村のモノマネ面白いらしい」
(ただ、ハードルを上げているだけ)

単なるお互いを牽制するための
褒め殺しなのですが...
こうして、≪ものまね≫稽古の夜は
更けていくのでした。


坂野 寛

10/02/17

春琴しよう

雨の降る日には

雨が降った日のことです。

稽古に行きがてら
春琴抄の本を読んでいたら
電車のなかに
傘をわすれました。

田園調布駅について
改札をでたときに
傘がないことに気づき
あっ
と声がもれました。

私はそのとき
これがリアルか
と思いました。
演技でこれができればなぁと
もう一度
あっ
と言ってみましたが
なんか違う気がしました。

そのかわりに
通りすがりのおばさまと目が合いました。
私は
とりあえずここではやめよう
そう心に誓いました。

同日
稽古の帰り道
近くのコンビニで
ビニール傘を買いました。

私は電車のなかで
春琴抄を読みました。

そして
わすれました。ビニール傘。

私は最寄駅の阿佐ヶ谷の改札をでたとき
あっ
とは言いませんでした。
表情が
ハッ
となったのです。
けれども今回はもう一度
ハッ
はやりませんでした。

それよりも
居眠りにも負けず
読書にも負けず
電車のなかに
傘をわすれないで降車できる人間に
私はなりたい

そう思いました。


石原宏是

10/02/15

春琴しよう

『春琴しよう』の現場より

こんにちは。
研修生担当の越谷真美です。

いよいよ『春琴しよう』の予約受付始まりました!

現場は本番に向けて一分、一秒も無駄にできず
稽古に熱中しております。

研修生たち、真面目で一生懸命です。
でもまだまだ想定の範囲内な彼ら。

岩淵氏による繊細な演出。
越谷による感情的なダメ出し。
それよりも大事なのは、
劇的だと思える瞬間を自分たちで掴んでいくこと。
殻を破ること。

本番まであとひと月半。
知られざる彼らの魅力をお見せします。
ご期待ください。

以上現場より
越谷がお届けしました。


越谷真美

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