10/08/10

凱旋2本立て公演

暑いNG

稽古場日誌
書かれるネタは皆同じ、
仕方ないよねこればっかりは、
日誌担当川村さん、
ボソッと私につぶやいた、
「暑いネタやめてね・・・。」

・・・はあぁい。


「ベイビー」

最近売れっ子の、アメリカ版ジャニーズ系歌手、
ジャスティン・ビーバーの曲「ベイビー」の歌が脳裏を支配する。
恐らく歌詞の内容は、
女の子が好きだとかそんなことが歌われているのであろうが・・・。
私はその曲のサビ「ベイビー、ベイビー、ベイビー、オォー」
のくだりを単語のとおり「赤ちゃん」の意味で理解する。
というか勝手にそう理解して、私の脳内は赤ちゃんで一杯になる。

タイタスアンドロニカスでも、
オイディプスでも私にとって「赤ちゃん」がキーワード。
・・・産めって事?(いやいや、違うでしょ!)

何も知らない、善悪も判らない無垢な「ベイビー」
先に生まれたものの都合で、いいように扱われ、
自己主張する前に運命に飲み込まれていく。
運命に従うしかないのか「ベイビー」

人間大人になると何かと不自由。
いらぬ心配、要らぬ考えに支配される。
だから子のこのためを思って、とか
最善を考えて、とかしているつもりでも、
実は自分の都合だったりする。

何もわかっていない生まれたての物はなすすべがない。
ある意味不自由。
でも「何もわかっていない生まれたて」は、
恐ろしいほどの自由さを秘めているかもしれない
徐々に知識や情報が加わる事で
何かを不自由にしていくのだ。多分。

役をつくる時、培われた思考の罠にはまりがちである。
その殻を破るのに苦労する。
もっと、出会ったことのない状態を求めて、不自由さからの脱出を試みる。
そして稽古場は、それぞれの役で一杯な人達で一杯だ。
自分の不自由さと戦いつつ。
・・・これぞ生みの苦しみっ!!


「ベイビー、ベイビー、ベイビー、オォー」

植田麻里絵

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10/08/09

凱旋2本立て公演

暴れ稽古

玄関を開けると、○キ○リがひっくり返って死んでいた。
驚いて、むしろ踏みそうになる。
何もここで逝ってしまわなくてもと呟く。
今日は何かあるな。

稽古場に行くと、安田氏が「マット敷いといて」と言った。
もしやと思ったが、予感は的中した。
本来なら『オイディプス王』の最初のシーンを稽古するはずだったが、
私等コロスの演技を見かねたのだろう、暴れ稽古に切り替えたのだ。
暴れ稽古とは、普段はどテンションで感情を入れながら滑舌を言う
「感情滑舌」と呼ばれている稽古で、それのコロス台詞版という訳だ。
とにかくハイテンションな体と声の状態を作らなければならない。
くそぅ、これをやるとほんとに体力が奪われるんだ。喉も危ない。
笑美さんや恵が安堵と同情の目でこちらを見ている。
淳子さんはさーっと部屋から出て行ってしまった。

おもむろに始まる暴れ稽古。
先ずみはるが叫び、私、永里子がそれに続く。
台詞を一行づつ最大限のエネルギーをもって発していく。
更に安田氏の激が飛ぶ。
「もっとだよ!」
もっとやる。
「バリエーション変えて!」
変えてみる。
「面白くして!」
え。

interestingかfunnyかで大分違うぞ!?
勿論、私は前者ととらえたが、
振り向けばfunnyなコロスになっている。
国の悲惨さを伝えるはずが、盆踊りを踊っているみはると、
中途半端なロック歌手のような永里子。
この国、大丈夫か。。。
疑問は残るもののあっという間にネタはつき、
私は暴れて血の気を失いながら(顔が白くなったらしい)悟った。

どっちだっていい。面白ければ!

三井穂高

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10/08/07

凱旋2本立て公演

ワールドカップに出ている選手よりすごいのかよぉ!

今公演は1年ぶりの山の手事情社参戦となります。
現在は仙台で活動中の野々下です。

演劇の現場では、話し合いやダメ出しの時間に様々な言葉が飛び交います。そんな言葉の中には、家に帰って考え、寝ながら考え、朝起きても更に気になって考えられるようなものが幾つかあります。
例えば 『リアリズムの芝居をやって面白くない奴が、四畳半をやって面白いわけねえだろ?四畳半でも、リアリズムでも、実際に傷つき、痛むことが大事なんであって、そのうえで感情や状態にポーズが伴うことが四畳半の面白さなの。汗かいて気持ちよく動いて…そんなアスレチックが見たいわけじゃないんだよ。アスレチックをどんなに頑張ってもワールドカップに出ている選手よりすごいパフォーマンスができるわけじゃないだろ?サッカー見てるほうがよっぽど面白いよ、実際に彼らは痛んでるし、傷ついてんじゃん。』
…確かに。
プロサッカー選手に役者が勝てるのは感情や状態のアクロバット以外にはない。
アスレチック方面の話は以前にも出たことがあって…。
『くにゃくにゃしたり、重心ずらすだけだったら誰でもできるだろ!…熊川哲也だったらすぐできるよこんなの。』
まあ…熊川哲也は一旦置いておくとして、役者の中には 『演劇で刺激を受ける作品が最近少ないんだよなぁ。その点コンテンポラリーダンスは外れが少ないよなぁ』 という発言もあるくらい、共通点をリアリズムの役者よりダンサーの方に見出す者も少なくない。 でもアカデミー賞をとるような俳優は四畳半も上手いんじゃないか…。 『ロバートデニーロってさあ、四畳半やったらどうだろ?うまいのかなあ?もしデニーロが四畳半の映画でアカデミー賞をとったら世界中に四畳半が広まるよね。そしたら日本の大河ドラマも四畳半になっちゃったりして?…ならねえか?!』
四畳半の龍馬伝四畳半の岩崎弥太郎四畳半の香川照之 どうせなら 四畳半の笑っていいとも四畳半のにほんごであそぼ四畳半の24時間テレビ 『そこまでいっちゃえばいいじゃん!!ありえねえ〜!じゃあ24時間マラソンはすり足なのかっつー話だろ?!24時間でゴール出来ねえ〜!』 24時間ぽいTシャツをペアで着てるメンバーの演技を見ながら、歌舞伎役者や狂言師が出ているNHKの「にほんごであそぼ」に、四畳半で遊ぶコーナーができればいいなぁ…などと妄想していた。

野々下孝

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