11/01/20

The Dead Father

『修了公演にまつわる話〜担当編』

研修生の修了公演は、自分の劇団ながら毎年良い公演だな〜と感動させられます。
一年間限定のメンバーですし、そのメンバーでの最初で最後の公演なので演じる側も演出側も熱さがすごいです。

公演を見ていると、なんか泣ける!
実は毎年密かに泣いています。
今年は誰が泣かしてくれるか、楽しみです(^O^)
と、担当でない身分の時はそんなのんきな気分です
が、担当となった者にとっての修了公演は地獄のような作業。

研修生にとっても
自分にとことん向き合って
他人にとことん向き合って
違う違うと否定して
もっともっとと追い込んで
一回きりのメンバーなので、
どう転がっていくか分からない
ぶっつけ本番の一年間、
頭も身体もフル稼働してん寝られない日々が続く。
本当に死ぬかと思う日々
だけど一年間こんなに演劇のことを考えることはないので
本当に贅沢な日々

私が研修生修了公演の担当になったのは2005年
と2006年の連続二年間でした。
2005年は男6人女10人・途中1人脱落(泣)の15人のメンバー
2006年は男2人女9人・こちらも途中1人脱落(泣)の10人のメンバーでした。
正直、み〜んな“下手くそ“です。
研修生も担当の私も。
日々即興
手探りなので、暴走する事も多々あった気がします。
思い返せばもう少し要領良くやれただろうに・・・
まぁでも“下手くそ”なりに、
「演劇界に革命をおこすぞ!!」
と修了公演に向けてめちゃくちゃ意気込んでいました。
親の気分の私は彼等が魅力的に見えるよう試行錯誤の日々…
で、彼等が一番キラキラするのは
「やっぱり恋愛ものだな〜」と思い(今思うと安易なんですが)
男一人と女二人のグループを作り、私もやったことのないフランス文学を使い「良いペアを使うから、気合入れて作って」
と“下手くそ”の彼等にとっては鬼のような事をしていました。
おかげで稽古場は三角関係の男女でギラギラしていましたが(笑)

担当二人も研修生に負けずとギラギラし
とにかくぶつかる
何年か分の喧嘩をしたような気がします・・・
やっぱりもう少し要領良くやれた気がする
でもっ演劇は要領だけではできないんですよね
本当に生き物
手にかけた分だけ美しく咲くと思います。
そんな感じで、修了公演は穴だらけのデコボコな公演かと思いますが
もがいてあがいて回り道した分だけの
彼等の魂の叫びが垣間見れる公演なのではないかと思います。
二年間研修生を教える立場でしたが、
研修生を通して演劇について沢山の事を気づかされたと思います。
当時のメンバーに本当に感謝です!!
出来る事ならもう一度彼等と作品を作ってみたいなと思っていますが、
まだその時期ではないのかな?

2011年度の担当となりました。
また演劇についてとことん考えて行けそうです。

山口笑美


11/01/20

The Dead Father

『ブレーキ』

私の中には訳のわからない精神ブレーキが存在します。思いっきりやってやろう。暴れてやろうと体は準備ができるのですが
いざ事にあたると、本当にそれをやっていいのか、本当にそんなこと言っていいのか、と急ブレーキがかかります。
途端に、やろうとしていた事とはまったく違う中途半端なものができてしまう。これが気持ち悪いのってなんのって気持ち悪いんです。

まだ起きてもいない未来の失敗が怖いだなんて馬鹿は休み休み言いたいですし、寝言は寝て言いたいものです。
エチューダーはもっとやれもっとやれと言ってくださいます。
やってみたいこと、言ってみたいことは山ほどあります。
もうなんだかんだと時間もありません。
一緒に演技する人たちのためにも大暴れしたい。
もういっそ何も考えないで発言しましょうか。
引かれたって死ぬわけでもなし。
本当に殺すわけでもなし。
会う人会う人皆演技してる私の目は人殺しの目とか言いますし。
本番までにブラック鯉渕がでてきてくれるといいのですが。

鯉渕翼

11/01/16

The Dead Father

『修了公演にまつわる話〜研修生編』

「初日が一番いいってどういうこと?結局勢いだけなんだよ。安心しないで、もっとやって。」
修了公演の2回目の回の終わりに、エチューダーの罵声が飛ぶ。

私が研修生だったころの修了公演は、今のように5回も公演回数はなく、照明や音響もシンプルだった。
わずか3回の本番の中、がた落ちしたのが2日目の昼
メンバーがかみ合わないかみ合わない!
初日は奇跡が起こったように楽しく、これ面白いじゃん!
と胸を張れるかんじでしたが、二日目は不協和音もいいところ。
本番いきなり段取りを変えるという大胆な行動にでてみたり、初日のいい感じを思い出そうと集中を欠いたり、守りと攻めが混在していた。
つくづく、芝居はチームワークだと感じたし、本番始まったら出ている役者しかどうすることもできないんだと!
さんざん稽古で「面白くするのはおまえらなんだから」といわれ続けた意味を、本番中に体感する。
・・・なんとも恐ろしい。
今思うと、確認も取らずに段取りを変えるなんて、観ているエチューダーは私たちより、肝をつぶしていたんだろうな。
そしてかみ合っていない姿をただ指をくわえてみていることしかできない立場なんだ。
そんな目線を背後に感じながら、何もできずに焦るばかりの自分がそこにいた。
いったい何が修了したの?何ができたの?と・・・・。

芋虫がやがて蝶になるように、蝶になるまでは手伝うことができるが、その先の飛び方は自分で勝ち取るしかないのだ。
今回私はエチューダーの立場として修了公演に参加する。
すでに、私の小さな肝がつぶれ始めている。
年々公演規模もしっかりしてきて、研修生にも求める部分が多くなる。
研修生には臆病になる前に、
「まずは失敗してもいいからもっとやって」
「とりあえず不恰好でいいから飛ぼうとしてみて!!」
初心忘れるべからずで、劇団員になろうがなるまいが、大切なこと。
どんな方法にせよ、飛ぼうという目的のあるものは面白いのだ。

さてはて、残りわずかな時間で彼らは何を飛ばしてくれるのだろう。
そして私は何を飛ばせられるのだろう。
『The Dead Father』
ご期待ください

植田麻里絵

Top «« .. 7 8 9 10 11 12 13 14 »» Last