11/03/06
『一年終えて』
公演が終わり、自分の中に知らない感覚があるって事が、どれだけ貴重な事かを知りました。この一年振り返って、あらゆる事で初めての経験がすごく多かったと思います。
人が人のエネルギーを伝え合っていく事、見ているつもりでいたけど見えてなかった相手がいる事、誠実論や理想論で語れた人間の存在が、実際にはただの小さな妄想でしかなかった事、自分にも世の中にもそんな妄想が溢れていて言葉や文字がどれだけ記号的なものでしかないのか、でも、それに力を与えているのが人のエネルギーなんだなと感じました。
私が今まで軽はずみに見ていた「他人」が、自分にたくさんのエネルギーを回していてくれて、私も誰かにエネルギーを回しているんだと、まだはっきりとした自覚や実感は無くても、そう感じれる一年でした。
客入れ30分の間、あの空間にいた人達の全員がそれぞれ思い思いに考えたように、私も同じ様に考えていました。
過去、現在、未来...あの30分はとても貴重な時間だったと思います。
気づいた事は「過去」の私が「現在(いま)」の自分に止め処ないエネルギーを与えてくれていて、「未来」の私が「現在(いま)」のもがいている自分を引っ張り上げてくれていたんだという事で、それは一年間みてくれたエチューダーの斉木さんや麻里絵さんでもあり、山の手事情社の皆さんや、家族、友人、知人も同様で、
どれだけの人に見守られていたのかと思います。
勇気と誠実と頑固をくれて、ありがとうございました。
これからも、あらゆる出会いと別れに潔くあることを許してください。
公演に来てくださった方達と、この一年私がお世話になった方達
すべての人に感謝と心を。
中川佐織