11/05/11
いい女
皆さん“いい女”って、どういう女だと思いますか。
最近その問いが、コーヒーを飲みたいという衝動と同じように頭をよぎります。
先日飲み会の席で大学時代の同期の男に、
「俺絶対お前とは付き合いたくない。だってお前、男女関係に癒しとか求めないんだもん。」
と言われ、
そんなことないと否定する間もなく次の話題に移られ、
ホントに私には興味が無い事だけが強烈に伝わったという出来事がありました。
ふざけるな、と思いつつ過去を振り返る。
そうするとですね、確かに私は私の為に頑張ってくれない男も、
自分自身の向上の為に頑張らない男も、
彼氏としては不合格だと思っていた節があるなと気付いてしまったのです。
そして彼女に癒ししか求めない男には怒りさえ覚えていたことにも。
でも、だからなんなんだ。
女性は皆そうだ、私の考えは正論だ。
すると、酔っぱらった頭の中から何かが聞こえてくるのです。
五月蠅いなと耳を傾けると、それはこう言いました。
「その考え方飽きたよ」
と。
…誰だ、こいつ。
男性に尽くして、自分がわからなくなるくらいに追っかけて。
ただその人の傍にいることだけを考えて。
触れることだけを考えて。
慰め合うことを求めて。
そういう人間に、私は絶対になりたくないし、
そういう女はバカだと思っていました。
男の為に身を持ち崩すなんて弱い女のすることだし、
そういう女は幸せにはなれないと相場が決まっているんだぜ、と。
ところがですね、こんな考え方が浮かんできてしまったのです。
「じゃぁそれ程までに守りたい自分ってなんなわけ」
今回のツアーに持っていく『傾城反魂香』のヒロインの“みや”という人間は、
頭の固い私から見ればバカな女とも思えます。
一方で、世間の常識とは違う意味で強く、器が大きく、いじらしい
今の私では到底太刀打ち出来ないくらい“いい女”なのだろうとも思うのです。
この作品には他にもそれぞれの魅力を持った女性が登場します。
残念ながら今回は作品を見る側ですが、
この機会に“いい女”というものについて、
キャスト陣の演技を見ながら考えを深めていこうと思います。
私生活にも反映させてやります。きっと。
小栗永里子