12/10/04

トロイラスとクレシダ

立ちくらみな毎日とTシャツの枚数

亜熱帯の日本になりつつありそうなこの時期いかがお過ごしでしょうか?
浦です。
この2ヶ月間、からだの体温が上がりっぱなしで毎日起床すると立ちくらみがします。そしてここでTシャツを一枚着替えます。

AM11:00から自主稽古《ルパム》(ダンス)があるのですが、劇団員7人が集まりハードに体を動かしびしょびしょになります。
息の詰まる振りなので当然立ちくらみがします。この振りは本番で是非ご覧ください。ここではTシャツは着替えません!
なぜならこの後の稽古がハード過ぎてTシャツが何枚あっても足りないからです。

PM14:00から全体稽古が始まります。
発声は特殊な呼吸法をするのですが、これがめちゃくちゃ立ちくらみがする。
そして吐き気がするくらいものすごく気持ち悪くなるんです。その後《四畳半》の基礎稽古を2人組、3人組でおこなう。
この稽古の後、びしょびしょのTシャツを着替えます。今日2枚目。

でもこの訓練をした後の台詞はとても声が通って強弱や高低の操作がしやすくなる。この稽古は辛いがとても有効だ。
横隔膜が柔軟になり、身体の可動域が増えるので、体と声のニュアンスを入れやすくなる。それと思考が鮮明になり瞬発力が上がります。

小休止のあと、15:00ごろから台本の稽古に入ります。1シーンずつ読み合わせをし体を動かしていく。ここでも感情過多で立ちくらみ、汗はびっしょり。
休みなしの3時間。
食事休憩のあと19:00ごろからまた台本稽古。
川村さんの台詞と共に吐き出される唾を真正面から受けTシャツはびっしょり、今日気分はどんより。ここでTシャツを着替える。今日3枚目。

この時点で疲労のあまり眼が若干かすみ、軽い立ちくらみ。いつまで続くこの生活。
本番是非ご期待ください。

浦 弘毅

12/10/01

トロイラスとクレシダ

男優メニュー、女優メニュー

山の手事情社ひさしぶりの新作。
そして自分は初めての新作作りに参加です。

最初はどんなふうにカタチができていくのか
見当もつかずにいたのですが
いまはおぼろげながら全容が見えはじめてきました。

はたしてどうなっていくのだろうか。

そのながれで
というのもおかしいですが
男優と女優が別メニューの稽古をしています。

そしてこのまえ女優陣のシーン発表を見て
「そういえばコンセプトを知らされずに
山の手事情社内の発表をみるのはひさしぶりかも知れない」
とおもいました。
それがなぜか新鮮でした。
今回の『トロイラスとクレシダ』という作品で
前知識のないお客様にどのように伝えていくか
あらためて考えさせられました。

女優陣の発表は
稽古場がひたすら汚れ
ちかよが手に怪我を負い
やっているほうも見ているほうも
全員涙で目をあけているのが困難になったり
おいしい匂いがしたり
様々な小品がたくさんありました。
このいくつもの作品群のなかから
本番で見せることができるのは一部だけです。
面白いものはたくさんありましたが
そういったものなのです。

いっぽう男優陣はひたすら四畳半です。
この暑さと汗で稽古場が異臭を放つほど
四畳半稽古をしております。
山の手事情社では換気がどれほど重要か。
けれど稽古をしているとその臭気に気づきません。
外に出た時
稽古をしていると気づかなかった匂いに気づく
外の空気って
自然って
地球って
なんて素晴らしいのだろうと感じる瞬間です。

なにをやっていても気づくことが案外大切なのだと
思う今日このごろです。


石原石子

12/09/27

トロイラスとクレシダ

経験値

東京では自宅にねずみがいることはまずないですが、利賀村の宿舎にはねずみがいます。
夜、電気を消して寝ようとすると、天井のあたりがゴソゴソゴソゴソ… 何だよ何してくれちゃってんだよ寝れねえよ… 柱を叩き「出てこいっ」と叫ぶ。当然反応はない。
ウトウトしてると、蛾が顔面に激突してくる。もうー(涙) コナコナがつくからー(泣)

都会っ子の私には辛いです。

しかし、都会っ子はあまりに古典的世界を体験していないので、これも大事な宝物としてとっておこうと思います。

体験していないことを想像で補うのが俳優だ! とは言うものの、体験したこととしてないことでは雲泥の差があり。
動物を屠ったこともないのに、人間の殺し合い(戦争)を描かなければならないって。
殺してる人間って、やっぱりどこか居住まいに現れるはず。凄みがあるはず。
「どうやったら相手の急所を突けるか」って常に考えてる奴は、顔や声が緩んでないはず。
「出てきただけで、何か凄い奴ら」が、熱烈に議論して破綻するから、成立するんじゃなかろうか。

都会っ子にはキツイ課題だ。

「体」とうちは言うけれど、それは≪四畳半≫の動きももちろんあるけれど、その前の居住まいみたいなものが体に憑いていないと、どうも、甘っちょろいダンスみたいで気持ち悪い。
声ももちろんそうだ。緩んだ声ではどう喋ってもシラケちゃう。

都会っ子で、なぜかいい奴が多いうちの劇団。
この甘さを克服できるんかいな?

紛争地域へ行って戦争を笑うのって、相当勇気がいる。相当なテンションだ。
「トロイラスとクレシダ」ってそういう感じだ。

今回は男優がメインになりそうなので、期待する。
尖がって欲しいぞ。
私も尖がるからな。


大久保美智子