12/08/30

トロイラスとクレシダ

裸で投石

皆様、はじめまして。
新劇団員の辻川ちかよです。

はじめまして、山の手事情社本公演。
はじめまして、《四畳半》。
はじめまして、『トロイラスとクレシダ』。

何がなんだか分からないなら、
とにもかくにもガムシャラに体当たり。
その使い古された作戦に、怒号の大砲。

「やれる範囲でやってるだろ。」
「雑! 動きが雑なんだよ!」
「ダサい。」

・・・・・・くそぅ、完敗か。
裸に石槍だけでのガムシャラな戦いに、
勝率があるわけがない。
この作戦しかないのかい? 私よ。
恥ずかしい。裸のうえに完敗。

ダメ出しの度、自分を肯定していく自信が少しずつ失くなっていく日々。
その度にいや増す生命力。
ドMの富士山、只今6合目です。

ところで、今回公演の戯曲『トロイラスとクレシダ』。
その舞台はトロイ戦争でございます。

筋肉隆々の身体に甲冑、のイメージですが、
当時の武器防具は戦士達の実費で、
お金のない戦士は裸で投石していたとの事。

もはや、一番男らしい。
勝率が低い戦いに臨む気合とテンション。
いつ殺られるか分からない恐怖。
怖い。怖い。怖い。
やってやる。やってやる。さぁ戦え。

この戯曲の中には登場しない、
下々の戦士に自分を重ねてしまう。

しかし、私は負け戦ばかりしてはいられない。
裸でもいい。
攻める為には武器を持たねば。
いや、せめて肌着は着させて。

ドMの富士山の頂上で、
せめてもの肌着を着て、
とっておきの武器で戦う。
それが私の「トロイラスとクレシダ」。

・・・例えを集合させたら意味がわからない。

でもいい。
怖い、けど、やってやる。
せめて彼等のように、
命懸けで戦わねば!

辻川 ちかよ

12/08/28

トロイラスとクレシダ

異能な俳優集団

台本が無くても芝居は出来る。
台本があってももちろん出来る。
即興でもつくるし、チームで打ち合わせをしながらも作るし、台本からもつくる。
ひとりでも作るし、数人でも作る。
作家の本が書きあがらないなら、「こっちで作っときましたから大丈夫です!」
と言える異能な俳優集団である。

この日は、10月末に公演を予定している『トロイラスとクレシダ』のあらすじを説明するシーンの発表日。
チームに分かれて、あーでもない、こーでもないとシーンを作ってきたのである。
発表日の森下スタジオは文化祭の準備をしているような光景でした。

発表は海パンで走り回っていたり、セックスです! セックスです! と連呼するコメンテーターがいたり、椅子と机で仮想トロイ戦争ごっこをする子供たちがいたり、インディアンポーカー風のゲームで登場人物の紹介をしていたりと様々でした。しかし、ほとんどボツだろう。
面白いのに・・・。

『トロイラスとクレシダ』という戯曲はそもそもトロイ戦争の話なのに、一番有名なトロイの木馬が出てこなかったり、話が戦争の途中から始まったり、長々しい議論が続いた りと、わざと冗長に書かれているようなところがある。
少し変わった手触りのする戯曲である。
いっそのこと、シェイクスピアの言葉がまったく登場しない『トロイラスとクレシダ』はどうだろう。
発表を見ていてそんな想像をした。

さて、今、彩の国さいたま芸術劇場にて蜷川幸雄演出の『トロイラスとクレシダ』を上演中だが、あそこは基本的にそのままやると思うので、山の手版『トロイラスとクレシダ』と蜷川版『トロイラスとクレシダ』とはまったく違う作品になることは間違いない。

蜷川版は今月末観にいくので楽しみでもある。

斉木和洋

12/08/28

トロイラスとクレシダ

未来に向けた新作公演

3年ぶりの新作公演『トロイラスとクレシダ』の上演が約2ヶ月後に始まります。
稽古もいよいよ本格的に始動しました。
昨年、一昨年とルーマニア公演を経ての凱旋公演を行い、再演を重ねて成長を遂げた作品の上演が続きましたが、今回の作品は生まれてたてのホヤホヤです。
稽古の過程から、今後末永く作品の成長を共に見守っていただくべく、初日までの2ヶ月間活気あふれる稽古場をレポートしていきたいと思います。
どうぞ、お付き合いくださいませ!

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山の手事情社次回公演!
「トロイラスとクレシダ」原作/W・シェイクスピア
2012年10月24日(水)-28日(日)
東京芸術劇場 シアターウエスト

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